新たな潮流を生む「廃漁網アップサイクル」
日本の漁業界に新しい風を吹き込む事業があります。それが、廃漁網を回収しアップサイクルする「amu」。この企業の代表取締役である加藤広大氏が、世界的経済誌Forbesが主催する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2025」のAudi特別賞を受賞しました。加藤氏の挑戦的なビジョンとサステナブルなビジネスモデルは、多くの人々に注目されています。
循環型社会の実現を目指して
amuは、宮城県気仙沼市を拠点に、全国の廃漁網を回収し、価値ある製品へとリサイクルします。「いらないものはない世界をつくる」というビジョンのもと、世の中の廃棄物を再資源化し、新たな製品へと生まれ変わらせています。加藤氏自身も全国の漁村を訪れて漁師の声を直に聞くことを重視し、漁師と共に地域の活性化に努めています。
このような姿勢が、Audiのサステナビリティへの取り組みとともに評価され、特別賞として表彰されることとなりました。
受賞の背景
Forbes JAPANが主催する「30 UNDER 30」は、エンターテイメント、アート、ビジネスの各部門から次世代リーダーを選出するもので、加藤氏はビジネス部門での受賞です。俳優の浜辺美波や、ブレイキンダンサーのAmiこと湯浅亜実選手とともに受賞セレモニーに登壇したことも印象的でした。
加藤広大氏の想い
受賞が決まった際、加藤氏は「まさかこのような光景があるとは思いもしませんでした」とコメント。支えてくれた人々への感謝の気持ちを述べ、漁師たちのストーリーを商品に乗せて届けていく意義を強調しました。特に、漁業が抱える課題を知り、その解決策としてのアップサイクルの重要性を理解してもらうことを目指しています。
アップサイクルの具体的な取り組み
具体的には、2023年10月に漁網由来の新素材ブランド「amuca®」を立ち上げ、廃漁網を元にした製品の開発を進めているそうです。釣り具や様々な製品をアップサイクルし、釣り愛好者や環境に配慮したい人々に新しい選択肢を提供することに力を入れています。さらに、同社は一般社団法人宮城県北部鰹鮪漁業組合と協力し、漁具の回収と処理に関する連携も展開中です。
加藤氏の受賞に対する反響
Audi Japanのマーケティング本部のライアン・ブルムリック氏は、「情熱とクリエイティビティ、使命感を持った方々を表彰するこのアワードは、技術、イノベーション、サステナビリティによる進化というAudiの理念と完全に重なります。変革をリードする彼の存在は私たちにとっても大きな刺激です」と称賛しました。
まとめ
加藤広大氏とamu株式会社は、環境問題への意識を高めながら新たなビジネスの形を生み出しています。漁業と地域社会が抱える課題を解決するだけでなく、持続可能な未来の創造に向けた挑戦を続ける姿勢に、今後も期待が寄せられます。彼らのアップサイクル事業が、どのように私たちの生活に影響を与えていくのか、目が離せません。