脱炭素社会への取り組み
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は、脱炭素社会の実現に向けて新たな取り組みを開始しました。これは、農林水産省が推進する「加工食品のカーボンフットプリント(CFP)算定実証」に参加し、同社の製品がどれほど環境に影響を及ぼすかを明らかにするものです。具体的には、家庭用及び業務用の一部製品を対象にカーボンフットプリントを算定しました。
CFP算定の意義
近年、温暖化の影響がさまざまな形で私たちの生活に及ぼす中、企業や自治体が持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しています。この流れの中で、ポッカサッポロはカーボンフットプリントの算定を行うことで、製品の環境負荷を具体的に把握し、持続可能な開発目標に向けた行動を強化しています。
算定結果と主な製品
ポッカサッポロが算定を実施した製品の中で特に注目されたのは、「キレートレモンWレモン500ml(PET)」です。この製品のCFPの算定結果では、原材料の調達が全体の約60%を占めることが判明しました。これは、製品の環境負荷の多くが原材料の生産過程から来ていることを示しています。
さらに、主力商品である「ポッカレモン100 450ml(ビン)」、 「加賀棒ほうじ525ml(PET)」、および「業務用冷凍 瀬戸内レモンストレート果汁(袋)」についても自主的にCFPを算定しました。これにより、原材料調達から製品の流通、使用、廃棄に至るまでのCO2排出量を詳細に把握できました。
温室効果ガス排出量削減の目標
ポッカサッポロの親会社であるサッポロホールディングスは、2050年を見据えたカーボンニュートラルの実現を目指しています。具体的には、2030年度までに温室効果ガスの排出量を大幅に削減する目標を掲げており、スコープ1とスコープ2で42%、スコープ3では25%の削減を目指しています。また、森林・土地利用を含むFLAG(Forest, Land and Agriculture)関連の排出量についても、同様に31%を削減する計画です。
未来への展望
今回のCFP算定を通じて、ポッカサッポロは製品の環境負荷を可視化し、分析を行うことで「ホットスポット」と呼ばれる排出量の多い部分を特定しました。その結果として、原材料調達段階でのCO2排出量が高いことが浮き彫りになりました。これを受け、同社は今後、環境への配慮を強化し、さらに持続可能な製品やサービスを提供することを目指していきます。
このように、ポッカサッポロはカーボンフットプリントの算定を通じて、企業としての責任を果たし、脱炭素社会の実現に向けて積極的に貢献していこうとしています。自らの行動を見直し、持続可能な未来を築くための一歩を踏み出したポッカサッポロの取り組みは、今後の業界のモデルケースとなるかもしれません。