Z世代が導く和菓子の未来
愛知県豊橋市に本社を置く老舗和菓子店「株式会社お亀堂」が、Z世代の新入社員の力を借りて新たな挑戦に乗り出しています。この新プロジェクトは、和菓子の魅力を伝えるために動画を活用し、現代の消費者に向けたエンターテイメントとしての側面を引き出すことを目指しています。
現場からの新たな提案
新入社員の1人は4月に入社したばかりですが、彼は早くも自らのアイデアを現場に提案しました。「もっと分かりやすく、もっと面白く和菓子を伝えたい」と彼が放った言葉は、そのまま社内を動かす原動力となりました。製造工程や職人技を動画に収めることで、和菓子の魅力を若い世代にアピールしようという意図があります。
動画化の取り組み
具体的には、まず工場の業務マニュアルを動画化し、効率を向上させるプロジェクトが始動しました。製造の裏側をショート動画で発信することで、視覚的に伝わる魅力を引き出し、SNSでの拡散を狙う狙いがあります。従来の地味な製造現場がスマホ視点で映像化され、新しいエンターテインメントとして生まれ変わりつつあります。
Z世代ならではの発信力
「次の誰かをラクにしたい」と語る新入社員は、自身が抱える技術や経験の不足を逆手に取り、より多くの人にとって理解しやすい方法を模索しています。SNSで見ることができる和菓子の素晴らしさや職人技が、次世代の人々へ伝わっていくことを強く信じています。伝統的な和菓子製造の裏側が見えることで、より多くの興味を引き寄せることができるのです。
社長もバックアップ
森社長は「伝統を守るだけでは生き残れない」と考えており、和菓子に対して「なんかいいね」と思ってもらえるような仕掛けを進めていく必要があると強調しています。SNS施策にとどまらず、社内全体で動画の共有文化が根付くような環境を作り出しているのです。
変わる和菓子業界
老舗和菓子屋がここまで資本を投入して動画プロジェクトに取り組むことは珍しく、それだけ新しい価値観を持ち込むことが重要な時代になったということでしょう。若手社員が新たな風を吹き込むことで、和菓子店のイメージは「古臭い」から「楽しい」へと変貌を遂げています。今後、和菓子店が持つ楽しさを映像を通じて届ける努力が続けられることは間違いありません。
地域とともに歩む
お亀堂は創業以来、素材に誠実であり、手間を惜しむことなく、地域に寄り添った和菓子製作を行ってきました。また、最近では地元農家と連携し、地域の特産物を用いた商品開発にも力を入れています。これは地域経済の循環を意識した取り組みです。
これからも、老舗和菓子店「お亀堂」はZ世代の感性を取り入れ、伝統の中で新しい挑戦を続けていくことでしょう。動画を通じて新たな可能性を広げ、和菓子をもっと多くの人々に愛される存在へと成長させるその姿に期待が寄せられています。