ファッション業界の未来を築く「アパレル物流研究会」が発足！

革新への第一歩：アパレル物流研究会発足

ファッション業界の未来を見据える動きとして、アダストリア、バロックジャパンリミテッド、TSIホールディングス、ユナイテッドアローズの4社が共同で「アパレル物流研究会」を2023年10月に発足しました。この研究会は、ファッション業界の物流課題を共有し、効率化とサステナビリティの実現を目指すプロジェクトです。

発足の背景

物流業界は現在、さまざまな課題に直面しています。人手不足や配送コストの増加、さらに環境負荷の低減といった問題は特に深刻です。また、「2024年問題」や「2025年問題」といった社会問題も業界に影響を与えています。これらの問題は、ファッション業界においても顕著であり、コストや納期に関する深刻な影響が懸念されています。このため、各社が協力し、共通の物流課題を特定し、解決策を模索する必要性が高まったのです。

研究会の目的

アパレル物流研究会の目的は、以下の3つに集約されます。

1. 課題の共有: 各社の現状を分析し、業界全体の共通課題を明確にします。
2. 物流インフラの共通化: 将来的な物流インフラの部分共通化に向けて、具体的な手法や実験を通じて検討を進めます。
3. 参加企業の拡大: より多くの企業の参加を促し、業界全体に利益を還元する仕組みを作ります。

このように、研究会の設立は、ファッション業界における物流革新への第一歩と言えるでしょう。

これまでの活動

研究会の最近の活動の中には、店舗向けの共同配送やECモール向けの共同配送が含まれます。また、海外からの調達に関する共同輸送の取り組みも進行中です。これらの活動を通じて、物流効率の改善に向けた可能性が模索されています。

共同配送の PoC

特に注目されるのはECモール向けの共同配送のPoC（概念実証）です。2025年6月から実施されているこの取り組みでは、集荷や配送の時間調整、トラックやコンテナの積載率の確保を通じて、輸送の効率性を高めることを目指しています。各社が持つ共通のニーズに基づき、新しい配送ルートや方法を開発することで、さらなる飛躍が期待されています。このように、共通の課題を持つ企業が一緒になることで、より効果的な解決策を見出すことができるのです。

今後の展望

アパレル物流研究会の活動はまだ始まったばかりですが、今後は参加企業をさらに増やし、業界全体での課題解決に向けて積極的に取り組む方針です。想定される成果を最大化し、ファッション業界の物流を根本から変革することが目標です。この取り組みが成功すれば、業界全体に良い影響を与え、持続可能な社会の実現にもつながることでしょう。

アパレル業界の未来を担う「アパレル物流研究会」という新たなプラットフォームが、業界の革新を引き起こすことを期待しています。参加企業が増えることで、さらなる可能性が広がるでしょう。