フェルメクテス株式会社が描く未来の食のビジョン
発酵由来の次世代タンパク質食品を開発する【フェルメクテス株式会社】。山形県鶴岡市に本社を構え、同社はこのたびプレシリーズAラウンドにおいて、総額2.5億円を資金調達しました。出資には株式会社博報堂や株式会社平田牧場、株式会社ラクト・ジャパン、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブなど、業界を代表する6社が名を連ねています。
何が目的なのか?
今回の資金は、同社が開発した独自の納豆菌由来粉末タンパク質食品「kin-pun®」の、研究開発体制の整備や量産体制の確立、さらには事業者との協業や販路を広げるために充てられる予定です。これにより、事業成長を加速させ、持続可能な食文化の実現に向けて貢献することを目指しています。
過去の実績と将来の展望
フェルメクテスは、「人類と動物、植物、そして地球が共存できる未来を実現する」というビジョンを掲げており、微生物発酵技術と日本の伝統的な発酵文化を組み合わせた食の研究開発を進行中です。これまでの調達額は約7.5億円に達し、大学や研究機関、自治体との連携も強化しています。2025年1月には内閣府の「鶴岡ガストロノミックイノベーション計画」に採択され、地元企業との連携が本格的に進化する予定です。
「kin-pun®」の魅力
「kin-pun®(きんぷん)」は、納豆菌(Bacillus subtilis var. natto)を利用した、粉末状の発酵性タンパク質食品です。グルテンフリーを特長としており、高タンパク質を実現しています。また、発酵による香りや旨味も際立っていて、パンや麺類、お菓子、ソース・ドレッシングに幅広く応用できます。この食品がどのように私たちの食生活を変えていくのか、期待が高まります。
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今後の取り組み
次のステップとして、フェルメクテスは以下の4つの重点項目に取り組む予定です。
1. kin-punの量産スケールの拡大と安定供給体制の確立
2. 独自の機能性に関する研究開発の強化と新商品の開発
3. 食品業界や外食チェーン、商社との販路開拓連携
4. 専門人材の採用および経営体制の強化
代表者の言葉
代表取締役の大橋由明さんは、「今回の資金調達が無事に完了したことを感謝します。我々の目指すのは、納豆菌が持つ力を通じて実現する持続可能な食文化です。『kin-pun』を世界に広めていくという挑戦を続けます」と話しています。
出資者からの期待も高まる
出資する企業からも期待の声が寄せられています。株式会社平田牧場の新田代表は、「持続可能な食の未来に向けた意義深い挑戦だ」とし、地域から世界に向けての価値創出を支持しています。さらに、株式会社ラクト・ジャパンの渡瀬氏は、「先進的な取り組みが新しい食体験を生む」と語りました。
会社概要
フェルメクテス株式会社は、2021年に設立されて以来、発酵を活用した新たなタンパク質素材の研究・開発・製造・販売に力を入れています。今後の動向に注目です。
所在地:山形県鶴岡市覚岸寺字水上246-2
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