アンゴラの文化を映し出す華やかなファッションショー
2025年10月1日、EXPO 2025 大阪・関西のアンゴラパビリオンで行われたのは、アンゴラを代表するファッションデザイナー、
カーラ・シルヴァによる特別ファッションショーでした。このショーには、約50名のVIPゲストが集まり、鮮やかでエネルギーに満ちたスタイルがランウェイを彩りました。
ンジンガ・ムバンディ女王へのオマージュ
今回のコレクションは、アンゴラの歴史的な女性指導者、
Queen N’Jinga Mbandi(ンジンガ・ムバンディ女王)からインスパイアを受けています。彼女は、ポルトガル植民地支配に抗い、独立を守るために尽力した偉大なリーダーです。ショーに登場したデザインには、黄金の王冠や真紅のローブ、力強いシルエットが取り入れられ、女王を象徴する要素が見事に表現されていました。
伝統と現代の交差点
コレクションのテーマ「Raízes Tecidos com História(歴史を織り込んだルーツ)」は、カーラ・シルヴァ氏自身がデザインしたテキスタイルに、アンゴラの文化や祖先の記憶を色濃く刻んでいます。動植物、名所、歴史的なモチーフが細かく描かれたこれらの生地は、オーガンジー、デュシェスサテン、繊細なレースなどの洗練された素材で仕立てられています。
全14ルックがランウェイを飾り、その華やかさと力強さで観客を魅了。カラーパレットも印象的でした。大地を感じさせるナチュラルブラウンに、情熱的なレッドや象徴的なゴールドが組み合わさり、アフリカのアイデンティティと現代的感性が共鳴するビジュアルを生み出しました。
カーラ・シルヴァ氏のご紹介
カーラ・シルヴァ氏は、アンゴラ出身の国際的ファッションデザイナーとして34年以上のキャリアを重ねています。ポルトガルで視覚芸術とファッションデザインを学び、以後、アフリカの伝統と世界のトレンドを見事に融合させた作品を多数発表。ニューヨークやドバイなど、国際的な舞台でその名を馳せ、さらには各種ビューティーコンテストで公式スタイリストとしても活躍しています。
2013年にはアンゴラで「最優秀国際ファッションデザイナー賞」を受賞、2018年にはポルトガルで「年間最優秀ファッションデザイナー賞」を受けるなど、その才能は広く評価されています。特にパンアフリカン・ファッションショーでは、10年間連続で功労賞を受け取っています。
アンゴラの魅力を伝える場
「本日のファッションショーは、アンゴラの歴史や文化、創造性を感じていただける貴重な機会でした。ファッションを通じて、アンゴラの魅力を多くの人々に伝えられたことを大変光栄に思います」と、アンゴラパビリオン館長の
アルビナ・アシス・アフリカーノは語っています。
このように、今回のファッションショーは、アンゴラの豊かな文化を現代的な視点で表現したものでした。伝統と革新が共存するスタイルは、まさに今のアフリカを映し出しています。