アヲハタが挑む新たなサステナブルな取り組み
アヲハタ株式会社が製造過程で排出される食品残さの有効活用を通じて、環境にやさしい取り組みを開始しました。広島県竹原市を本社とするアヲハタは、近年、持続可能な社会の実現に向けたさまざまな活動を行っており、特にフルーツ加工分野においてその取り組みが注目されています。
アップサイクルの実績
このたびの取り組みでは、アヲハタが製造するジャムなどに関連する食品残さを、株式会社ファーメンステーションと共同で活用しています。ファーメンステーションは独自の発酵技術を持つ企業で、今回のコラボレーションによって未利用資源からのアルコール(エタノール)の発酵と精製が実現しました。この新たに得たアルコールを使用して、オリジナルのウェットティッシュが製造され、株主優待品に利用される予定です。これにより、食品残さが日用品として新たに生まれ変わることが期待されています。
社内公募から生まれたアイデア
このアップサイクルプロジェクトは、社内公募から生まれたサステイナブルに関するアイデアが起点です。アヲハタは、廃棄物や食品残さに対して無駄を出さない生産を重視する企業です。そのため、より価値のある資源の循環を目指して、ファーメンステーションとの連携を深めています。この取り組みは、1990年代から始まったフルーツ加工業務の延長線上にあるもので、今後も食品ロスの削減に向けた新たなアプローチを模索します。
自然への感謝と持続可能な社会の実現
アヲハタの創業は1932年で、みかんの加工を行いながら、製造過程で生じる外皮や部分に対しても工夫を凝らしてきました。例えば、かつてはみかんの皮を陳皮に加工するなど、無駄を出さないことを大切にしていました。この歴史を踏まえ、現在では「発生させない」だけでなく、「有効活用する」ことからも食品ロス削減に向けた努力を続けています。さらに2024年からは、製造過程で生じた食品残さを養豚の飼料として活用する計画も進行中で、より大きな効果が期待されます。
担当者の思い
今回のプロジェクトの中心となったアヲハタの研究開発本部 商品開発センター長、谷川和貴氏は、サステナビリティやエシカルな消費が求められる今、企業の社会的責任として持続可能な方法を取り入れる意義を強調しています。彼は自然の恵みを最大限に活かすために、フルーツ加工における循環型ビジネスモデルの構築へ向けて尽力する意志を表明しました。
未来への挑戦
ファーメンステーションの代表である酒井里奈氏も、アヲハタとの協力を通じて持続可能な社会実現に向けた一歩を進めていることに対する信念を述べています。食品残さのアップサイクルは、これからの循環型社会にとって重要なテーマであり、アヲハタはこの取り組みを通じてさらなる挑戦を続ける考えです。
このように、アヲハタは新たな技術を用いて環境への配慮を進め、持続可能な未来に向けた取り組みを行っています。私たちも、その動きを注視し、応援していきたいものです。