日清製粉の新たな挑戦:スマート工場「水島工場」の開設
2023年5月、岡山県倉敷市に日清製粉株式会社が新たに開設した「水島工場」が、本格的な稼働を開始しました。ここでは、最新のIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ロボット技術を駆使し、効率的かつ安全な生産体制を実現しています。この工場は、日清製粉が125年にわたって培ってきた製粉技術を基にした新たなロールモデルとなることでしょう。
水島工場の特長
1. 最新技術の導入による自動化
水島工場では、生産ラインの調整から副資材や製品の搬送まで、幅広く自動化を実現しています。数年以内には一定時間無人でのオペレーションを目指すことが計画されており、最終的には全社的に生産性を20%以上向上させることを目標としています。これにより、工場全体の効率化が進み、より安定した製品供給が可能となります。
2. 環境への配慮
この新工場は環境に優しく、再生可能エネルギーの活用を進めています。太陽光発電設備や省エネルギー技術を導入し、カーボンニュートラルな工場を実現することで、持続可能な社会の実現に寄与しています。また、地震や液状化、高潮などの災害対策にも力を入れ、安全で安心な生産環境を整えています。
3. 最適な立地
水島工場は、水島港の近くに位置しており、国際バルク戦略港湾に指定されています。この立地により、大型船を直接接岸できるため、原材料の調達が効率的に行なえます。また、高速道路からのアクセスも良好で、迅速に商品をお客様へ届けることが可能です。これにより、中四国地区のお客様にも安定した供給が行えます。
工場概要
工場名: 日清製粉株式会社 水島工場
所在地:岡山県倉敷市児島塩生2767-33
生産品目: 業務用小麦粉
総工費: 約180億円
設備能力: 1日当たり小麦挽砕能力550トン(2ライン)
小麦粉サイロ収容力: 4200トン
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立体自動倉庫収容力: 20万袋(5000トン)
既存工場の閉鎖
水島工場の稼働に伴い、既存の岡山工場(岡山県岡山市)や坂出工場(香川県坂出市)の閉鎖が予定されています。この移行は、日清製粉が持つ国内小麦粉市場における約40%のシェアとともに、今後も国民の主食である小麦粉の安定供給を果たしていくための戦略の一環です。
最後に
日清製粉の水島工場は、最新技術を導入しながら環境配慮と効率的な生産体制を両立させることで、業界内での競争力を一層高めています。スマート工場としてのリーダーシップを発揮し、食品業界の発展に寄与することが期待されます。