3DモデリングとAIでクリエイティブを引き出す未来のファッション教育
近年、ファッション業界ではデジタル技術が急速に浸透しています。その中でも、3DモデリングとAI技術の進化は、ファッションデザインの可能性を大いに広げています。特に、国際トータルファッション専門学校とデジタルクロージング株式会社が手を組んだ取り組みは、今後のファッション教育において大きな意義を持つものとなりました。
産学連携で創造性を解放
2025年3月1日、国際トータルファッション専門学校の卒業制作発表が行われました。テーマは「FULL」。学生たちが企画し、衣装を製作する中で、デジタルクロージングが提供した3Dモデリング技術や最新のAIサービスが活用され、学生の作品データのブラッシュアップが行われました。このコラボレーションは、他のアパレル企業との連携によって築かれた技術を基にしており、学生たちのクリエイティビティを存分に引き出すことに成功しました。
教務部長の神戸悠太氏は「手書きでのデザイン画やパターンメイクが根強い服飾教育の中で、3D技術をカリキュラムに組み込むことは長年の課題でした。しかし、デジタルクロージングの協力によって実践的な学びの機会を得られたことは、学生たちにとって大きな経験となった」と述べています。
未来のファッションを担う学生
デジタルクロージングの取締役副社長である野瀬千里氏もこの取り組みの意義を強調しています。「若い学生たちの創造的な感性と最新技術を融合させることで、デジタル活用の可能性を体感していただけたのではないか」とのこと。いわば、今回のプロジェクトは未来のファッション業界を担う人材を育てるための貴重な場となったのです。
デジタルクロージングは、日本国内でのアパレル3Dモデリングのパイオニアとして、数多くの企業にサービスを提供しています。これまでに1万点以上の3Dモデルを作成し、効率的な商品開発を実現してきました。特に、コロナ禍での展示会用サンプル作成が困難な状況で、3Dサンプルの活用を推進することで、多くのアパレル企業を支えてきました。
教育と技術の連携がもたらす新たな可能性
国際トータルファッション専門学校は、79年の歴史を誇る新潟県唯一の服飾系専門学校です。実践的なカリキュラムを通じて学生を育成し、業界での活躍を目指しています。特に、現代のファッション業界の変化に対応できるような教育が求められており、デジタル技術の活用はその一環として重要な役割を果たしています。
学生たちが学んだことは、単なる技術だけではなく、今後の業界で何が要求されるのかを体感する場でもありました。デジタルクロージングの協力を得ることで、学生の技能を磨くと同時に、将来の職業へとつながる貴重な経験が提供されました。
まとめ
今後、デジタル技術とファッションがさらに融合していく中で、国際トータルファッション専門学校とデジタルクロージングの取り組みは、他の教育機関にも影響を与えることでしょう。ファッション業界の未来を担う人材が、次々と誕生していくことを期待しています。今回の取り組みは、ただの教育プロジェクトではなく、未来のファッションの可能性を切り拓く一歩だったと言えるでしょう。