立川志らくが紐解く現代お笑いの哲学
2023年12月17日、株式会社新潮社から立川志らく著の新刊『現代お笑い論』が発売されました。この本では、90組にのぼる様々な「笑い」に迫り、志らくの独自の視点でお笑いの核を考察しています。現代のお笑いが持つ意味や、志らくが長年培ってきた落語からの視点を紐解きながら、笑いの本質を探ります。
謎に包まれた「志らく枠」
元々、落語家として身を立てていた志らくですが、テレビ放送に敢えて挑んだのは師匠の談志の教えがあったからこそ。彼は「全身落語家」と自らを定義し、落語会を中心に活動していましたが、談志の死を受けて、その魂を引き継ぐ形でコメンテーターとしての道を選びました。
突如舞い込んだ「M-1グランプリ」の審査員オファーは、彼にとっては波乱の始まり。視聴者からは批判の号砲が鳴り響くも、意志を貫くことで「志らく枠」と呼ばれる特異な評価基準を確立しました。志らくが見つけた「なんだかわからないけど面白い」という感覚は、彼が落語で培った「イリュージョン」に根ざしています。
M-1グランプリの影響
M-1は島田紳助が生み出し、松本人志が育てた日本のお笑い界に大革新をもたらしました。その反響は広がり、様々なトリオやコンビが登場し、伝統的なネタのスタイルを脱することへと導きました。志らくは、そのM-1の価値を語りつつ、どのように笑いの革命が起こったのかを解き明かしています。
今の「お笑い」に必要なもの
志らくの目から見た現代の芸人たち、特にランジャタイやトム・ブラウン、霜降り明星、さらにはダウンタウンまでが登場します。それぞれの芸人が持つ独自のスタイルと、志らくによる評価が交差することで、いかにして現代のお笑いが形成されていったのかを探ることができます。彼の独特の視点が、若手芸人たちに対する新しい理解をもたらすことが期待されています。
まとめ
本書は単なるお笑い評論に留まらず、志らくの文化的背景や哲学的思考が色濃く反映されています。「笑い」を深く考察し、視聴者に新たな視点を提供するこの一冊は、落語ファンはもちろん、お笑いの専門家から広く一般の読者まで幅広い層に響くものになると予想されます。笑いの真髄に触れられる貴重な機会をお見逃しなく。取り扱いは全国の書店及びオンラインストアにて。