花王が開発した新しい日焼け止めの秘密とは？快適な使用感を追求した処方技術を解説

湿度に応じた快適な日焼け止めの新時代

近年、紫外線カット効果の高い日焼け止めが多く市場に出回っていますが、実際には多くの女性が塗ったにも関わらず日焼けした経験を持つと述べています。花王株式会社はこの現状を受け、日焼け止めを塗る際の義務感からくるストレスや、不快な感触を軽減するための新たな挑戦を開始しました。

課題と新たなアプローチ

花王の調査によれば、10～40代女性の9割以上が日焼け止めを塗った後に日焼けをしてしまった経験があると答えています。特に高温多湿の環境下では、日焼け止めを塗った瞬間から汗をかき、それによる肌のムレや不快感を感じることが多いです。これらの課題に応じて、花王のスキンケア研究所と加工・プロセス研究所は、快適な感触を持続し、かつ十分な量を塗りたくなるような日焼け止めの新製品開発に取り組みました。

ハイドロゲルカプセル技術

新たに開発された日焼け止めには、紫外線吸収剤が内包された寒天ハイドロゲルカプセルと、高抱水性ポリマーが使用されています。このカプセルは水に分散されることで、塗布時に崩れて広がる特性を持ちます。これにより、紫外線防御成分が安定的に配合され、従来の製品にはないような新しい使用感を生み出すことが可能となりました。

吸放湿機能の検証

実際に開発した製剤が湿度の変化にどう反応するのかをテストしたところ、従来の製品に比べて優れた吸放湿性が確認されました。この新しい日焼け止めは、湿度の高い環境でも膜が水分を吸収し、再度乾燥すると膜が薄くなることが分かりました。これにより汗を吸収しつつ、快適な感じを保つことが期待されます。

ユニークな使用感

花王の技術によって生まれたこの日焼け止めは、空気を含んだ柔らかい半固体の形状を持っています。これにより、塗布時の軽い力で水分が一気に放出され、短時間で液体に変化します。これは、運動やアクティビティの多い夏場でも快適に使うことができる設計です。

消費者調査の結果

花王は2024年に、20～50代の女性42名を対象にこの新しい日焼け止めを使用する調査を行いました。その結果、70%以上の参加者が「日中の肌が快適な感じ」と回答しました。このことから、使用感が本当に向上したと実感されていることが伺えます。

まとめ

花王が新たに開発した日焼け止めは、紫外線吸収剤を内包した寒天ハイドロゲルカプセルと高抱水性ポリマーを使用し、湿度に応じた塗膜の変化と、軽快な使用感を実現しました。今後もこの技術を基に、さらなる使用感の向上を目指し、十分な量を塗布する魅力を引き出していく計画です。日焼け止めの新たな時代をこの技術が切り開いていくことでしょう。