與真司郎、初のカミングアウトまでの心の軌跡
AAAのメンバーとして精力的に活動してきた與真司郎(あたえしんじろう)さん。2023年7月26日、約2000人のファンの前で自身が同性愛者であることをカミングアウトし、その出来事は多くの人々に衝撃を与えました。彼のこの決断は、ただの告白ではなく、自身の人生を変える重要な一歩でした。本記事では、彼の新刊エッセイ『人生そんなもん』から、そのカミングアウトに至る前夜と当日の心境を詳述します。
カミングアウト前夜の緊張
カミングアウト前日、與は深夜の仮住まいで原稿の最終調整を行っていました。彼は自分の言葉が他者の助けになればと願いながら、何度も原稿に向かい合います。言葉一つで誤解を招くことに対する恐れが彼を悩ませ、正確に自分の気持ちを伝えることに心を砕いていました。何ヶ月も準備を重ねてきたものの、やはり精神的な重圧が彼を包み込みます。この日は普通の緊張を超えた、経験したことのないストレスを抱えながら過ごしました。
夜が更けるにつれて、與は過去の辛い思い出に浸ります。自身のゲイであることを隠していた日々が尾を引く中、「もし非難を受けても海外で新たな人生がある」と自分に言い聞かせ、少しずつ勇気を振り絞ります。
本番当日の覚悟
翌朝、与は目覚めると「やるしかない」と心に決めます。彼にとって、この瞬間は逃げられないものでした。彼を待つファンたちも、この日のために準備をしてくれているのです。会場に向かう間、彼の心の中では周囲の緊張感も映し出されています。気持ちを明るく保とうとしつつも、自身の心の中には不安と期待が交錯する状況。
カミングアウトのリハーサルが始まり、彼は仲間たちと共に緊張感を共有します。多くの友人やスタッフがサポートしてくれる中、「ここまで来たら絶対に大丈夫」と自分を励まし続けました。準備が進む中で、口をこじ開けるのが難しい言葉「ゲイ」をついに言うときが来ます。
遂に迎えた瞬間
ステージに立つと、與はこれまでにない緊張を感じます。2000人のファンの前に、彼はついにスピーチ原稿を開き、「私はゲイです」と言い放ちました。その瞬間、彼の中で何かが変わるのを感じました。これで彼は、公表前までの重圧から解放されるのです。
このカミングアウトが引き起こした波紋は大きく、與はこの先の人生を前向きに考えられるようになります。そして、彼にとってこの一歩は、ただの告白ではなく新たなスタートとなったのです。
エッセイ『人生そんなもん』について
このカミングアウトの背景や彼の心境は、2025年4月に発売されるエッセイ『人生そんなもん』に詳しく描かれています。本書では、彼の半生を振り返りながら、カミングアウトの重要性やその後の生き方について赤裸々に語られています。彼の勇気ある行動は、多くの人に勇気を与えることでしょう。