浪人生と予備校文化の変遷
日本の教育制度において、予備校は「学問への入り口」として重要な役割を果たしてきました。しかしこの重要性が忘れ去られ、今では推薦やAO入試が主流となっています。そんな中、教育・受験ジャーナリストの小林哲夫氏が、新たな著作『予備校盛衰史』を発表し、予備校文化の歴史を紐解いています。
黄金時代の予備校文化
『予備校盛衰史』は、1970年代から90年代にかけての「予備校文化」の黄金期を振り返っています。この時期、浪人生は単なるキャンパスの主人公ではなく、昔ながらの受験戦争の象徴でした。しかし、現在の大学受験の風潮はその基本的な枠組みを大きく変えてしまいました。「大学受験に失敗したら予備校に行こう」という考えは過去のものとなり、今では推薦やAO入試が優勢になっています。この流れは、予備校の重要性を見失わせる要因ともなっています。
予備校の成り立ちと影響
著者は、予備校の成り立ちやその背景にあった教育制度の問題を指摘しています。日本の公的教育システムは「六・三・三・四制」を基本としており、予備校の存在自体が想定されていません。実際、受験生はこの存在なしには多くの大学に合格することが非常に難しいのです。
予備校盛衰の章立て
本書の構成は以下のようになっています:
1. 現代における予備校の状況
2. 明治から戦中期までの草創期
3. 戦後から最盛期までの拡大期
4. 1980年代から現代までの爛熟期
5. 予備校のアイデンティティとトラブル
6. 予備校文化の特徴
7. 文化を創造する人々の影響
8. 少子化時代における予備校の未来
教育の未来を考える
著者は、教育を受ける上での選択肢が探索されにくくなっている現状を憂いています。特に、少子化が進む中で、予備校の役割がいかに変化していくのか、そしてそれが未来の教育システムにどのように影響するのかに焦点を当てています。
書籍情報
『予備校盛衰史』は、2026年2月10日にNHK出版より発売されます。320ページの新書判で、定価1,188円(税込)です。詳細は以下のリンクからご確認いただけます。
この本を通じて、教育に対する視点を広げ、自身の学びのあり方を再考するきっかけとなるでしょう。