ロレアルの新たな取り組み
世界的な化粧品企業であるロレアルグループが、皮膚の健康に関する重要なプログラム「ロレアル・アクト・フォー・ダーマトロジー」を発表しました。このプログラムには、5年間で2,000万ユーロが投資され、世界中で21億人の皮膚疾患を抱える人々を支援することを目的としています。
皮膚疾患への挑戦
皮膚の健康にアクセスできない現状を打破するために、ロレアルはWHO財団と協力し、特に熱帯地域で脅威となる感染症に関連する皮膚疾患の対策を強化します。また、皮膚疾患が人々に与える影響についての認識を高める活動も並行して行う予定です。この取り組みは、世界の約35億人が皮膚の健康に関するサービスを受けられない「皮膚科砂漠」に対抗するものでもあります。
調査から見えた現実
最近の調査によると、人口10万人あたりの皮膚科医数が1人以下の国が世界の3分の1以上を占めています。こうした地域では、皮膚疾患の診断や治療を必要としている人々が大勢いるにもかかわらず、アクセスできない状況が続いています。この調査は、皮膚科医の分布状況や各国の医療へのアクセスの障壁を探るために行われ、2024年から2025年にかけて進行する予定です。
国際皮膚科学会連盟(ILDS)と連携しているロレアルのダーマトロジカルビューティ事業本部のプレジデント、ミリアム・コーエン=ウェルグリン氏は「このプログラムは皮膚疾患に苦しむ人々の生活を向上させることにコミットしています」と語っています。
投資の重点分野
「ロレアル・アクト・フォー・ダーマトロジー」プログラムは以下の4つの分野に焦点を当てています。
1.
知見の開拓: 皮膚の健康に関する理解を深めるために、先端研究に投資します。特に、色素の濃い皮膚に対する理解不足や、気候変動の影響、偏見に関連する問題に取り組んでいきます。
2.
意識向上: 公衆衛生の議論に皮膚の健康を組み入れるため、官民連携を推進し、政策変更を目指します。
3.
教育の強化: 世界中の医療従事者に対する研修に投資し、皮膚疾患の診断と治療スキルを高めていきます。
4.
ソリューションの拡大: 熱帯地域の皮膚疾患に対する最適な診断と治療法を提供するため、地域に合ったソリューションを迅速に展開します。
未来を見据えて
ロレアルとWHOの画期的なパートナーシップによって、ニキビや乾癬、アトピー性皮膚炎などの一般的な皮膚疾患に対する国際的な監視が可能になります。また、この取り組みは、皮膚疾患の医療へのアクセスの向上に寄与し、健康政策の重要な一環として位置づけられることが期待されています。2025年の第78回世界保健総会では、皮膚疾患の公衆衛生上の優先事項設定についての議論も予定されています。
世界中の人々が皮膚の健康にアクセスできる環境の実現に向け、ロレアルグループは新たな挑戦を続けていきます。詳しい情報は
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