株式会社コンヴァノが2025年11月21日に取締役会を開催し、事業戦略および財務戦略の再構築を決定したことが明らかになりました。成立した新たな施策は、2026年3月期の通期業績予想の修正と合わせて発表され、注目を集めています。
1. 事業戦略の再構築
コンヴァノは、これまでビットコイン(BTC)の財務戦略を中心に展開してきましたが、今後中長期的な企業価値を向上させるため本業の成長に重心を移すことにしました。新たに設定された投資優先分野は、AI・データコンサルティング、ヘルスケア事業、そしてM&Aです。それぞれの分野での具体的な取り組みについて見ていきましょう。
1.1 AI・データコンサルティング(DataStrategy社)
DataStrategy社は、AIマーケティングやデータ分析分野での拡大が著しく、2025年11月には売上収益が11億円に達し、12月には15億円を超える見込みです。この急成長は、同社のビジネスモデルのスケーラビリティと収益性の高さから来ており、今後さらなる成長が期待されます。
1.2 ヘルスケア事業(シンクスヘルスケア社)
シンクスヘルスケア社の糸リフト事業は、鼻筋形成の分野で急速に売上を伸ばしており、累計の営業利益は12.1億円を超え、導入クリニック数も300院から400院超に急増しました。2026年には600院に達する予想です。
1.3 M&A・事業承継領域
コンヴァノは、ヘルスケア分野での事業の買収を急いでおり、既存事業とのシナジーを強化して事業規模を拡大する方針です。
2. 財務戦略の見直し
コンヴァノは、ビットコインによる安定した利益構造の確保に向けた戦略的見直しを行いました。従来のディーリング戦略は、市場ボラティリティの高まりを受けて変更され、事業成長に向けた投資へ資本をシフトします。具体的な施策は次の通りです:
- - 新株予約権を使った資金調達の停止
- - 普通社債の条件見直しによる財務健全性の向上
- - 限定的なBTC保有と事業投資への資金振り向け
これらの変更は、安定した利益を生む企業構造への移行を目的としています。
3. 通期業績予想の修正
2026年3月期の業績予想も見直されました。売上収益は12,370百万円から14,950百万円へと21%増加の見込みですが、一方で営業利益は5,990百万円、純利益は3,918百万円と抑制されています。この動きは、先行投資の影響によるものですが、全体としては本業の収益が着実に増えていることが示されています。
4. 今後の見通し
コンヴァノは「補完コード2029」という中期戦略を掲げ、2027年3月期に売上高2370億円、営業利益95億円を目指しています。このことから、今後の事業戦略がどのように展開されていくのかが非常に楽しみです。
企業について
株式会社コンヴァノは、全国的に展開するネイルサービスチェーンであり、デジタルマーケティングおよびAI技術を駆使して美容やライフスタイル分野での成長を続けています。将来的にはWEB3インフラの範囲へも進出することを目指しています。
このように、厳しい市場環境の中で新たな経営戦略を打ち出したコンヴァノは、今後の成長が非常に楽しみです。