次世代につなぐ加賀友禅の魅力
伝統技術と地球環境を守るためのプロジェクト「加賀友禅」が、アップサイクル紙糸「TSUMUGI」とコラボレーションした新作手ぬぐいが、2025年4月17日より販売開始されます。このコラボレーションによって、歴史ある技術が未来の世代へと引き継がれ、さらに環境への配慮も実現されます。
加賀友禅の歴史と魅力
加賀友禅は江戸時代に始まり、現在も多くの人々に愛されています。この染色技術は、「加賀五彩」と称される五つの色合いや、草花を写実的に表現した模様が特長です。特筆すべきは、金箔や刺繍による加飾をほとんどなく、繊細な工芸技術によって自然美を引き立てている点です。最盛期には350人以上の作家が在籍したこの技術には、現在、継承者不足という課題があるため、次世代への伝承が急務となっています。
アップサイクルプロジェクト「TSUMUGI」
今回の新作手ぬぐいは、「一般社団法人アップサイクル」のプロジェクト「TSUMUGI」とのコラボレーションによって実現しました。このプロジェクトは、使用済みの紙資源や未利用となった間伐材を紙糸へと生まれ変わらせる取り組みです。紙糸は柔らかく、軽量で吸湿性が高い特性を持ち、まるで自然の中にいるかのような心地よさを提供します。
京都精華大学との共同プロジェクト
2023年6月からは、友禅作家の指導のもと、京都精華大学の学生たちが新たに友禅染による手ぬぐい制作に挑戦しました。第1弾製品は2023年12月に発売され、古典技術を基にした新しい視点のデザインが注目を集めることとなりました。学生たちは環境や未来をテーマにし、独自の感性を取り入れた制作に取り組みました。
デザインとテーマ
新作手ぬぐいのデザインは、次世代の作家たちによるもので、環境や未来への希望が込められています。以下、4つの作品をご紹介します。
1.
peaceful world (作家:亀田ひなた)
世界情勢を背景に、豊かさと平和を願ってデザインされた作品。
2.
ゆらぎ (作家:加藤暖菜)
間伐材を使用した生地の特性を表現し、社会の変化の中でも幸運が訪れることを願ったデザイン。
3.
momoka momotose (作家:安井あすか)
赤ちゃんからお年寄りまで、穏やかな生活が続くよう願いを込めた心温まるデザイン。
4.
大正ロマン (作家:梅﨑結菜)
自由と希望を求める精神を猫をモチーフにポップに表現したデザイン。
商品概要
- - 商品名:アップサイクル加賀友禅手ぬぐい
- - サイズ:縦90cm×横32cm
- - 価格:2990円(税込)
- - 原産国:日本
これらの手ぬぐいは、金沢市にある「加賀友禅毎田染画工芸」で直接購入可能です。ショップの営業時間は10:00から17:00までで、定休日は不定期です。
販売場所
また、オンラインでも購入可能で、プロジェクト「TSUMUGI」の公式サイトでは他の商品やイベント情報も発信中です。
TSUMUGI公式サイト
最後に
アップサイクル加賀友禅手ぬぐいは、ただのアイテムではなく、伝統技術や環境問題に対する意識をも織り込んだ未来を見つめる重要なプロジェクトです。ぜひ、多くの方に手に取っていただき、次世代へとつなげていきましょう。