生成AIと肖像権問題
2025-06-24 11:36:18

生成AIがもたらす肖像権侵害の実態調査:新たな課題とは?

生成AIと肖像権問題の実態調査



2024年4月から12月にかけて、特定非営利活動法人 肖像パブリシティ権擁護監視機構が、生成AI時代における肖像権やパブリシティ権の侵害についての初の大規模調査を実施しました。この研究は、AI技術の進化により新たに生じている権利侵害の問題を多角的に探ることを目的としています。

調査方法と対象


調査はインターネットを通じて行われ、SNS(TikTok、X、YouTubeなど)や生成AIプラットフォーム、広告媒体、アダルト領域、さらに芸能事務所やその関係企業が対象となりました。この広範囲にわたるアプローチにより、現状の侵害事案の実態を把握することが可能になりました。

インターネット調査の結果


調査の結果、主要SNSで「~になってみた系」や「~に歌わせてみた系」の投稿が8万件以上確認され、合計2.6億回も閲覧されたことが明らかになりました。さらに、画像生成AIプラットフォームでは、芸能人の肖像を利用する新たなトレンドが見られました。一方、従来から問題視されていた広告やアダルト領域でもAIを利用した侵害疑義事案が多発していました。

アンケートとヒアリング調査


また、芸能関連事務所33社に対してアンケート、9社にはヒアリングを実施。調査の結果、全体の約7%の事務所が事実関係を把握している一方で、多くの事務所がリソースの制約から適切な対処法を模索している現状が浮き彫りになりました。ただし、約42%の事務所がAI技術のビジネス活用には前向きな姿勢を示しています。

課題の浮き彫り


この調査からは、生成AIや新技術によって形態が変化した肖像権侵害の実態がグローバルに広がっていることが確認されました。一方で、これらの技術をビジネスに活かしたいという期待も高まっています。経済産業省では不正競争防止法に関する議論が進められ、肖像や声の利用に関する法律の解釈が見直されつつあります。

今後の取り組み


当機構では、調査結果を基に今後も継続的なサポートを行う方針です。具体的には、侵害事案への対応ガイドブックの作成や、プラットフォームとの連携体制の構築、業界ガイドラインの策定などを進めていく予定です。また、パブリシティ権に関する法律の枠組みを強化するための検討も行い、業界全体の健全で持続可能な発展を図るための施策を進めていきます。

本調査は、IPFORWARDグループのIPconnect株式会社によって実施されました。同社はAIやブロックチェーン技術を用いて、コンテンツの権利保護や活用促進をサポートしています。

今後、調査のさらなる情報提供や関連制度についての展望が示されることに期待が寄せられています。


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