ホールケーキが生む笑顔とコミュニティ、芦屋市の35年の取り組み

ホールケーキが生む笑顔とコミュニティ

兵庫県芦屋市では、毎年恒例となったクリスマスケーキ贈呈式が行われ、今年で35年目を迎えました。この取り組みは、地元の洋菓子店で構成される「ケーキの街芦屋」会が中心となり、福祉施設の利用者にホールケーキを贈り、笑顔を広げることを目的としています。2025年の贈呈式では、障がい者や高齢者が利用する20の施設に合計52個のホールケーキが届けられる予定です。

贈呈式では、芦屋市長の髙島崚輔氏が市内の福祉施設の代表にケーキを手渡しました。
髙島市長は「本当に嬉しい気持ちでいっぱいです」と語り、地域のケーキ店が温かい思いを持ってケーキを贈る姿勢に感謝の意を表しました。この取り組みは、単にケーキを贈るだけではなく、地域全体の温かいコミュニティづくりに寄与しています。

地域の絆を深める取り組み

「ケーキの街芦屋」会には、コンディトライシュターン芦屋やパティスリーPeri亭、アンリ・シャルパンティエなど、8つの洋菓子店が協賛しています。贈呈式には、ケーキの街芦屋会の会長である蟻田剛毅氏をはじめ、福祉施設の代表者も参加し、心温まるひとときを共有しました。

河野雅弘さん、高齢者総合保健福祉施設の施設長は、「毎年、ケーキが届くと拍手とともに自然と笑顔が生まれます。ケーキを囲むのが楽しみです」と語ります。この言葉からも、ケーキを通じたコミュニケーションの大切さが感じられます。

ホールケーキを囲む文化

髙島市長は、ホールケーキを囲むことで生まれる会話や笑顔がコミュニティを築く源であると述べ、近年のホールケーキを囲む機会の減少を指摘しました。しかし、彼は「ケーキを囲むことで生まれるコミュニケーションは、次世代へとつなげていくものである」という信念を持っています。

「ケーキの街芦屋」会の会長蟻田氏も同様に、地域の洋菓子文化を守りつつ、次の世代へ受け渡していくことの重要性を強調しました。ホールケーキをシェアすることがもたらす会話の楽しさや理由は、洋菓子文化の魅力を高める要素でもあります。

ケーキに込められた想い

この活動を通じて、芦屋市は地域の絆を深め、多くの人に笑顔を届けています。クリスマスという特別な時期にホールケーキを贈ることで、感謝や愛の気持ちが広がります。このような温かい取り組みが35年にわたり続いていることは、地域にとって大きな誇りです。

個々の洋菓子店がそれぞれの技術と個性を持ち、地域を支え合う姿勢が、今日のケーキ文化を生み出しています。これからも多くの笑顔をクリエイトし、コミュニティの一員としての存在意義を再確認する意味を持つホールケーキの文化を大切にしていきましょう。