APECデジタルAI大臣会合開催:イノベーションを通じた未来のデジタル社会へ
APECデジタルAI大臣会合の概要
令和7年8月4日、韓国の仁川でAPECデジタルAI大臣会合(TELMIN11)が開催されました。この会合には、オーストラリアや日本、中国、米国など、APEC参加国の情報通信大臣が出席し、今後のデジタル社会における政策課題について議論を交わしました。
開催の背景と目的
今回の会合は、2015年に開催されたマレーシアの大臣会合以来、10年ぶりの実施となります。目的は、情報通信に関する政策を改めて確認し、各国が協力してデジタル技術を活用した未来の社会を作るための方向性を設定することにあります。
議論の内容
デジタル・AIイノベーションの促進
韓国が議長国として提示した3つのテーマのうちの一つ、「課題解決のためのデジタル・AIイノベーションの促進」について、今川総務審議官は、AI技術の実用化には「安全で、責任のある、信頼できるAI」の確立が不可欠であることを強調しました。具体的には、「広島AIプロセス」に基づき、生成AI開発における透明性や説明責任を確保するための国際的な行動規範に沿った報告枠組みの導入が重要であると述べました。
デジタルコネクティビティの向上
次に、普遍的かつ有意義なデジタルコネクティビティの向上に関しては、競争政策と不採算地域への支援がうまく組み合わさることが重要であると指摘されました。新技術の導入やネットワークの強靭化を通じて、持続可能かつ安全なインフラの構築が必要だとされました。
安全なデジタルエコシステムの構築
最後に、「安全で信頼できるデジタル・AIエコシステムの創出」についても議論が行われました。各国が連携して、共通の基準やルールを設けることで、国際的な信頼を確保することが求められています。
会合の成果
議論の結果、各国の大臣間で合意に達し、閣僚声明が採択されました。この声明には、デジタル技術による課題解決に向けた共通の方針や、今後の協力体制についての具体的な方針が示されています。
バイ会談の実施
会合の機会を利用して、今川総務審議官はアメリカ、韓国、インドネシアの各国とのバイ会談を実施し、政策上の課題についての意見交換を行いました。特に、米国の科学技術政策局長や韓国の科学技術情報通信部次官との対話が注目されました。
まとめ
APECデジタルAI大臣会合は、デジタル技術の進展が加速する中で、各国が協力し合い、安全で持続可能なデジタル社会の実現に向けて取り組むことの重要性を再確認する場となりました。今後の動きが期待されます。