夏に増える「香害」の影響と、無香料製品の重要性について考える

私たちの日常生活の中で、香りは大変重要な役割を果たしていますが、近年その香りによる健康問題が深刻化してきました。福岡県北九州市に本社を置くシャボン玉石けん株式会社は、香料によって体調不良を引き起こす「香害」の認知度が高まっていることを受けて、今年も「無香料・無添加石けん月間」を設け、香害に関する意識調査を行いました。

本調査は全国の20～60代を対象に実施され、383名からの回答を受けました。結果は衝撃的で、77％が人工香料による不快感を体験したことがあり、45％が体調不良を訴えたと答えています。これらの数字は、過去6年間で最高のものとなり、香害という現象の蔓延が見て取れます。香害を引き起こす要因として挙げられるのは、主に柔軟剤、シャンプー、化粧品などに含まれる人工香料です。

調査結果の詳細

調査結果を見ると、79％の人々が何らかの香料入り製品を日常的に使用しており、特に柔軟剤やスタイリング剤の使用が顕著でした。興味深いことに、柔軟剤について41％の人は「自分の香りは好きだが他人の香りは苦手」と感じており、59％は「自分と他人の香りが共に好き」と答えています。このことは、個々人の「香り」を非常に個人的なものとして捉えていることを示しています。

「香害」に対する社会的認識

香害や化学物質過敏症は、今や公共の場での香料使用に対する配慮を求める声が上がるなど、社会問題としての認識が強まっています。調査では「香害」を知っていると答えた人の割合は85％に達し、これは2020年の56％から大きな上昇を見せています。香料が健康に及ぼす影響について、メディアやSNSの影響が大きいことが示唆されます。特に近年では、「香害」という言葉が三省堂の国語辞典にも初めて掲載され、社会全体での取り組みが必要とされていることがうかがえます。

シャボン玉石けんの取り組み

シャボン玉石けん株式会社は、無香料・無添加の製品を推進する取り組みを本格化させています。今年の「無香料・無添加石けん月間」には、意見広告や地域のイベントを通じて香害の問題について考える機会を提供しています。その一環として、北九州の小倉井筒屋とコラボレーションした「いづつや饅頭」を販売し、香害に対する社会的な関心を高める活動も展開しました。

香害への理解と配慮の必要性

私たちの生活の中で、香りは心地よさを提供しますが、それが他人には不快に感じられることもあります。今回の調査でも、柔軟剤を使用しながらも自分以外の香りに対しては敏感であるという結果が出ています。香害の問題については、香料不使用の製品を選択するなど、より多くの人々に理解と配慮が求められます。

この状況を受けて、私たち一人ひとりが香りに対する意識を持ち、無香料や無添加の製品の利用を増やすことで、より良い環境作りに貢献できるのではないでしょうか。香害の認知を高めるために、引き続き行動を起こしていく必要があります。体調不良を訴える人々の声に耳を傾け、安心して生活できる社会の実現に向けて、私たちができることから始めましょう。