会員登録の面倒さを打破するための鍵とは?
株式会社システムリサーチが運営する「創作品モールあるる」が実施した調査によると、EC利用者の53.5%が「会員登録」を最も面倒な行動と感じています。このデータは、デジタル接点であるアプリダウンロードやLINE友だち追加と比較しても、圧倒的に高い数字です。家族や友人と共有できる良い商品を見つけた時でも、会員登録のハードルが高くて離脱することが多いという声が多いです。
会員登録が面倒な理由
調査結果を詳しく見ると、会員登録が面倒だと感じる理由のトップは「個人情報の入力が面倒(32.6%)」という点です。さらに、次いで「通知や広告が煩わしい(19.9%)」や「結局使わなくなりそう(18.9%)」といった心理的要因も影響していることがわかりました。これらは、ユーザーが登録に対して抱える不安要素であり、企業側のアプローチが求められます。実際、過去3か月の行動を振り返ると、アプリダウンロードは24.9%に達しているものの、「特に何もしていない」と回答した層も22.1%いることから、デジタル接点を避ける傾向があることが判明しています。
それでも登録するユーザーの心理
恐れや不安があるにも関わらず、実際には会員登録(19.6%)やLINE友だち追加(14.2%)を行っていると回答するユーザーが少なくありません。「面倒だけど必要ならやる」という心理が背景にあり、特典や必要性がある場合には登録を選択するようです。それを踏まえると、企業は面倒だと感じるユーザーをどうにかして突破させるために、クーポンやポイント付与といった魅力的な特典を用意することが重要です。
ユーザーが求める安心感
最も魅力的な特典として挙げられたのは、「割引クーポン・ポイント付与」が67%で、ユーザーの多くが金銭的なメリットを求めていることが見えます。一方、「特典がなくても必要ならやる」といった意見も21%存在し、必要性の提示も重要になってきます。さらにUX改善の観点では、「すぐに退会・解約できる安心感(39.1%)」が特に支持されており、この要素は登録へのハードルを下げるために欠かせないものと言えるでしょう。
特典のわかりやすさや通知の頻度を選べることも、ユーザーが求める重要な条件です。企業はこの透明性とコントロール感を提供することで、消費者の登録に対する心理的壁を低くし、より多くの顧客を獲得することが期待できます。
今後のマーケティングに向けて
会員登録は企業にとって顧客接点を築くための大事なステップですが、ユーザーにとっては心理的な負担を強いられる行動が多いのです。この調査結果をもとに、企業は特典やUXの改善を進めることで、面倒な手続きを“嫌だけど仕方なくやる”から“自然に受け入れられる”ように変えていく必要があるでしょう。今後のマーケティング戦略には、こうした調査結果が重要な指針となることが予想されます。