母乳中の糖鎖の濃度変化を探る新たな研究
雪印メグミルク株式会社と雪印ビーンスターク株式会社が共同で行った調査が、母乳中の糖たんぱく質糖鎖の濃度変化を詳細に解析した結果を、2025年10月に開催される「第44回日本糖質学会年会」にて発表します。この研究は、出産後における母乳の栄養成分の変化を明らかにするもので、日本国内で初めて行われたものです。
研究の背景と目的
母乳は赤ちゃんの成長に欠かせない栄養源であり、特に糖たんぱく質糖鎖やヒトミルクオリゴ糖(HMO)は、赤ちゃんの免疫機能を支える重要な成分です。これまでの研究でHMOの役割は明らかにされてきましたが、母乳中の糖たんぱく質糖鎖の分析は十分でなく、その濃度変化のメカニズムについては未解明な部分が多く残っていました。
研究の実施内容
本研究では、20名の母親から提供された母乳を使用し、出産後の異なる日数における28種類の糖たんぱく質糖鎖の濃度を最新の分析技術で測定しました。測定の結果、大部分の糖たんぱく質糖鎖は出産後の日数と共に減少する一方で、一部の糖鎖は増加することが確認され、中国系和洋食花壇では多様な濃度変化パターンが示されました。
濃度変化の重要性
このような糖鎖の濃度変化は、赤ちゃんの発育にとって重要な指標である可能性があります。特に特定の糖鎖の濃度が上昇することは、赤ちゃんの健康にどのように寄与するのか、今後の研究が期待されます。雪印メグミルクと雪印ビーンスタークは、この研究成果を通じて母乳の成分とその機能についての理解を深め、育児用ミルクや機能性素材の開発に役立てていく方針です。
今後の展望
この新しい研究成果は、母乳中の糖鎖の分析を一層進化させ、赤ちゃんにとっての最適な成育環境を提供するための一歩となるでしょう。母乳の特性を最大限に活かした製品開発が期待され、家族の健康に貢献できることが目指されています。
第44回日本糖質学会年会の詳細
- - 会期: 2025年10月2日(木)~4日(土)
- - 演題: 母乳中のN/O結合型糖鎖濃度の泌乳期変化
- - 発表者: 雪印メグミルク株式会社 代表 山口敏幸 他
この研究は、未来の育児用ミルクの開発に寄与し、赤ちゃんの健康と成長を支える重要な基盤になることでしょう。