キリングループ、女性経営職比率目標達成の背景
キリングループは、2024年に女性経営職比率を15.9%に達成しました。これは、2020年に掲げた目標を上回る成果であり、企業の多様性推進へのコミットメントの表れです。社長の南方健志氏は、今後もさらなる多様性の推進に向けて取り組みを強化する意向を示しています。
多様性の重要性と施策
キリングループは、2019年に「キリングループ・ビジョン2027(KV2027)」を策定し、「世界のCSV先進企業となる」ことを目指しています。その中で「多様な人財と挑戦する風土」を掲げ、特に女性の活躍を促進するための「女性活躍推進長期計画2030」を策定しました。この計画では、仕事と生活が充実し、自己成長と会社への貢献を両立できる環境の実現を目指しています。
女性活躍推進長期計画2030の詳細
目指す姿
計画の核心は、充実した働き方の実現です。男女ともに若手社員を“早回しのキャリア形成”で育成し、ライフイベントに左右されずにキャリアを築けるように支援します。
定量的な目標
- - 2030年までに女性経営職比率を30%に引き上げる。
- - 同期間内に女性役員比率を30%に達成することを目指しています。
多様性を推進するさまざまな施策
キリンホールディングスでは、以下のような施策を展開し、多様性推進に力を入れています。
なりキリン研修
2019年から始まったこの研修では、社員が育児や介護といった制約のある働き方を模擬体験。これにより、労働生産性の向上や組織力の強化を狙っています。
キリン・ウィメンズ・カレッジ
女性社員特有の課題に取り組むため、2014年から2023年まで計画的に女性社員を育成し、経営職への登用を支援してきました。
休職中の経営職試験の受験可能
2023年5月から、出産や育児で休職中の社員も経営職試験に挑戦可能に。これにより、経営職を目指す道が開かれました。
遠隔地勤務制度
この制度は、家族の事情で転居が難しい社員に対し、遠隔地から働くことを認め、安心してキャリア形成を進められる環境を整えます。
アンコンシャス・バイアス研修
無意識に持つ偏見の自覚を促し、ポジティブな職場環境を形成することを目指して、幅広い教育研修を展開中です。
メンタリング・バトン
2024年から実施されるこのプログラムでは、経営職に昇進した女性を支援し、必要なスキルを磨く場を提供します。
まとめ
キリングループは、酒類や飲料、医薬、ヘルスサイエンスの多彩な事業ポートフォリオを活かし、専門性を高めるだけでなく、人材の多様性を重視した取り組みを進めています。これにより、様々な人材が持つ潜在能力を最大限に引き出し、イノベーションを加速していくことでしょう。ダイバーシティによる新たな価値創造は、今後の企業発展に欠かせない要素となるのです。