プラスチックを美しい櫛に生まれ変わらせる新プロジェクト
廃プラスチックは、捨てられる運命を持ったでしょう。しかし、早稲田大学の学生たちが立ち上げたプロジェクト「Precious Plastic Waseda」は、その廃材を少しでも美しい形に変えることに成功しました。彼らの新しいオリジナルブランド《COMEL(コメル)》は、アップサイクルを通じて、サステナブルで魅力的な櫛を生み出しています。
美しさの背後にある想い
《COMEL》は、英語の「comb(櫛)」と「melt(溶ける)」を組み合わせた造語で、「想いを込める」という意味も持っています。この名前には、単なる製品ではなく、環境と美を融合させたイノベーションの象徴が込められています。
学生たちは、大学内に設置された回収ボックスから集めたプラスチックを粉砕し、熱と圧力をかけて形にするという手作業を行います。特に、福祉理美容師と連携し、美容院で捨てられるカラーチューブのフタも活用している点がユニークです。このことで、役目を終えたプラスチックに新たな命を吹き込み、循環型の社会の一端を担っています。
様々な特徴と利点
《COMEL》は、ただの櫛ではありません。以下のような特徴があります。
- - 一点ものの美しさ:混ざり合った色が作り出すマーブル模様、どれも唯一の作品です。
- - 軽量設計:手のひらサイズで使いやすく、持ち運びも楽々。
- - CO₂削減効果:1本で約29.9gのCO₂を削減することができ、これは木が1日に吸収する量とほぼ同じです。
- - 全て学生の手で:デザインから製造、広報まで、全て大学生が主体となって行なっています。
これらの特徴の背後には、廃プラスチックの問題を楽しく解決するという使命があります。
Precious Plastic Wasedaとは?
「Precious Plastic Waseda」は、早稲田大学内の学生団体「環境ロドリゲス」の一部門として活動しています。彼らは廃プラスチックの回収から新しいプロダクトの生産までを手掛け、さらにその体験をワークショップなどで広めています。2024年から2025年の間には、34.45kgのプラスチックを回収して11.32kgのCO₂削減を達成しています。
COMELの発売情報
新しい櫛《COMEL》は、2025年5月1日からオンラインストア「Precious Plastic Japan Team」にて販売が開始されます。価格は1,000円(税込)であり、これも学生たちによる手作業で製作されています。
詳細情報
将来に向けた展望
《COMEL》は、単なる製品ではないことを強調しています。それは「行動を起こすきっかけ」を提供する存在です。廃プラスチックの問題は深刻ですが、楽しくかわいらしい製品がきっかけとなり、一人ひとりの環境活動への第一歩を後押しすることを目指しています。早稲田大学の学生たちは、環境問題への意識を高め、自分ごととして取り組んでいく方法を提案し続けます。
この新たな取り組みが、多くの人々に広まり、持続可能な未来への第一歩を促すきっかけになることを願っています。