オペラ『HAVE A GOOD DAY!』
2026-07-24 17:30:32

リトアニアの女性アーティストが描く現代オペラ『HAVE A GOOD DAY!』の魅力

リトアニアの現代オペラ『HAVE A GOOD DAY!』が日本初演



ロームシアター京都の10周年を記念した特別な公演として、リトアニアの女性アーティスト3名による現代オペラパフォーマンス『HAVE A GOOD DAY!』が日本で初めて上演されます。この作品は、2019年のヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞したオペラ『Sun & Sea(Marina)』の制作を手がけた3人のアーティスト、ヴァイヴァ・グライニテ(台本)、リナ・ラペリテ(作曲・音楽監督)、ルギーレ・バルズジュカイテ(演出・美術)によるものです。

舞台設定



『HAVE A GOOD DAY!』の舞台は、スーパーマーケットをテーマにしています。この設定は現代の消費社会を象徴し、そこで繰り広げられるのは、機械的な接客を行う10人の店員たちの内面的な葛藤です。視覚的な要素は最小限に抑えられ、蛍光灯の明滅や商品がスキャンされる際の単調な音が、観客の想像力を掻き立てます。商品は登場せず、消費を強く意識させる演出がなされています。

アリアの中の人間ドラマ



作中のアリアには、現代の社会を生きる人々の様々な姿が描かれています。新しく仕事に就いた不安な「新人」や、異国で働く「移民の母」、日々の生活に追われる「シングルマザー」、さらには精神的な危機を抱える「美術批評家」など、それぞれのキャラクターが独自のドラマを展開します。警備員が静かに伴うピアノの音が、そうした個々の物語を引き立てる役割を果たします。

労働と消費の問いかけ



この作品は、労働や消費の実態を舞台化し、私たちの社会のあり方を問い直すだけでなく、システムに埋没しやすい人間一人ひとりの多面性を静かに浮かび上がらせます。観客は、個々の孤独な声が次第に合唱に昇華される様子を見守り、消費社会への皮肉とユーモア、さらには詩的な美しさに包まれます。

様々な評価



今年の公演は、世界的アーティストであるジョナス・メカスからも絶賛されており、「まるで小さい傑作のようだ。何かを削ったり加えたりする必要はない。非常に堅実でシンプル、そしてリアルだ」との評価が寄せられています。

公演情報



この特別な現代オペラパフォーマンスは、2023年9月25日と26日にサウスホールで上演され、上演時間は約55分(休憩なし)です。リトアニア語での上演ですが、日本語と英語の字幕が用意されているので、言語の壁を気にせず楽しむことができます。チケットは一般6,000円、ユース(29歳以下)3,000円、18歳以下は1,000円と、若い世代にも優しい価格設定です。また、託児サービスも用意されているため、子育て中の方も安心して観劇できます。

終わりに



リトアニアの女性アーティストたちの独創的なコラボレーションによる『HAVE A GOOD DAY!』は、現代人の生活に潜む様々な課題を独特の視点で表現しており、見逃すことのできない作品です。消費社会の見えない側面を考える機会を提供してくれるこのオペラを、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。


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