高知県須崎市にて迎える虎竹の伐採シーズン
虎竹の伐採シーズンが到来しました。明治27年に創業した竹虎株式会社山岸竹材店が運営する虎斑竹(とらふだけ)専門店では、毎年、晩秋から翌年の1月下旬までの限られた期間に虎竹の伐採を行っています。この地域特有の美しい虎模様を持つ竹は、ただの素材ではなく、自然との共生の象徴とも言える存在です。
虎竹とは?
虎竹は、高知県須崎市安和地区に自生する希少な竹で、独特な模様が特徴です。その美しさはもちろん、自然と調和しながら生きてきた歴史や、職人たちの丁寧な作業によって守られています。この伐採の過程は、ただ切るのではなく、未来の竹林を見据えた重要な手入れでもあります。
丁寧な選別と伐採の技術
竹職人たちは、伐採する竹を選ぶ際に、虎模様の出方や色づき、年数を細かく見極めます。選ばれるのは、最も美しく丈夫である3~4年物の竹のみ。ここで注意が必要なのは、竹林全体の成長を支える「親竹」を誤って切らないようにすることです。この選別作業は、「竹への恩返し」として、職人の心が込められた重要なステップです。
安全な運搬と護る技術
伐採された虎竹は、山からふもとに搬出されますが、その過程にも大いなる工夫があります。特別に改良され、虎竹を傷つけることなく運搬できる機械を使用し、複雑な山道を安全に進むための技術が詰まっています。このように、虎竹を守るための努力は、行程の一つひとつに表れています。
自然の恵みと共に暮らす
竹林では、風に揺れる竹の葉音や、澄み切った空気、木々の香りが漂い、職人たちはその中で自然の尊さを五感で感じながら作業を進めます。この時期の伐採作業は、100年先の未来を見据えた大切な営みであり、自然との共存の姿を体現しています。
竹から生まれる様々な製品
伐採された虎竹は、製品に加工され、私たちの日常生活を彩ります。竹虎では、伝統的な竹細工から竹製品、さらには竹炭や竹酢液まで、多岐にわたる製品を手がけています。自然の美しさと職人の技を融合させた製品は、生活の中に心の豊かさをもたらしてくれるでしょう。
終わりに
虎竹の伐採は、ただの作業ではなく、私たちが自然と共に生きるための大切な営みです。竹と共生する尊さを感じ、未来のために何ができるのかを考えるきっかけとなれば幸いです。これからも竹虎の活動に注目していただき、自然との繋がりを大切にしていきましょう。
さらに詳しい情報は
虎虎株式会社(高知県須崎市安和913-1)では、これからも地域の資源を大切にし、持続可能な取り組みを続けていきます。