イケアが描く持続可能な未来
スウェーデン発のインテリアブランド、イケアが日本で新たなサステナビリティの取り組みをスタートしました。IKEA仙台、IKEA Tokyo-Bay、そしてIKEA福岡新宮の3店舗で、食品廃棄物を電力に再利用するシステムが導入されます。この取り組みには、JFEエンジニアリング株式会社が100%出資した新電力のアーバンエナジー株式会社と連携しています。
イケアのサステナビリティ戦略
イケアのビジョンは「より快適な毎日を、より多くの方々に」です。この理念のもと、経済成長、環境の保護、そして社会へのポジティブな影響を追求しています。イケアでは「健康でサステナブルな暮らし」「クライメート、生物多様性&サーキュラリティ」「公平性と平等性」の3つの注力分野を設け、2030年に向けた明確な目標を定め、この課題に積極的に取り組んでいます。
循環型ビジネスモデルの構築
イケアは循環型ビジネスモデルの実現に向け、資源の有効活用と廃棄物の削減を目指しています。実際、日本国内の店舗では次の2つの大きな成果が挙げられます。
1.
リサイクル率の向上
日本のイケア店舗では、事業系および産業廃棄物のリサイクル率が79.7%に達しました。この高い数値は、廃棄物の多くが段ボールで構成されているため、効率的なリサイクルが可能であることが要因となっています。さらに、廃棄物を圧縮機で処理し、運搬時のCO2排出量の削減にも取り組んでいます。
2.
食品廃棄物の削減
2018年から導入したAIツール「Winnow Vision」により、食品廃棄物を47.7%削減しました。このツールは、食品の廃棄を防ぐためのデータを収集し、キッチンの業務改善に役立っています。
アーバンエナジーとの連携
循環型ビジネスを実現するには外部との協力が欠かせません。そこで、アーバンエナジーが提供する「ゼロエミプラン®」を導入し、CO2実質排出ゼロの電力供給を実現しました。そして今回、新たに「創電割®」が加わりました。このサービスは、廃棄物から発電した電力を店舗に供給し、廃棄物量に応じて電力料金を割り引くものです。
今回の取り組みにより、食品廃棄物が電力に転換され、イケアの店舗で再利用されることになります。具体的には、排出された食品廃棄物はメタン発酵プロセスを経て発電され、アーバンエナジーがその電力を買い取り、再びイケアの店舗に供給されます。
今後の展望
イケアは今後もさまざまなステークホルダーと連携し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを継続していきます。循環型ビジネスモデルの構築を目指し、環境保護と経済成長の両立を図ることは、我々の未来をより良い方向へ導く鍵となるのです。
参考リンク