木村石鹸が100周年記念に誕生させた新たな固形石鹸の魅力

創業100周年の奇跡　木村石鹸の新たな挑戦

大阪府八尾市に本社を置く老舗の石鹸メーカー、木村石鹸工業。1924年に設立されたこの会社は、来年、創業100周年を迎えます。この節目の年に新たに誕生したのが、「木村石鹸の木村石鹸」です。2025年1月30日より、木村石鹸の公式オンラインストアにて販売が開始されます。

100年の歴史を超え、原点回帰

「木村石鹸の木村石鹸」は、創業者の熊治郎が夢見た高品質な固形石鹸を再現するべく、企画から開発までの過程に7年の歳月をかけて完成したものです。固形石鹸は世界のあらゆる地域で生産されている、いわば石鹸の原型です。そのため、製法も確立されており簡単に商品化できると思われがちですが、実際には余計な成分を加えない「正直な処方」にこだわって、理想的な使い心地を実現するためには、繊細な研究が必要でした。

手作りの味わいと温もり

手間暇をかけ、丁寧に製造された「木村石鹸の木村石鹸」は、職人がひとつひとつ心を込めて作っています。しかし、効率的な大量生産が難しいこの手作りの製法は、現代では希少な存在です。それでも木村石鹸は、この固形石鹸だからこその価値を大切にしたいと考えています。

注目を集めたクラウドファンディング

木村石鹸は、創業100周年を記念して、2024年7月にクラウドファンディングに挑戦。このプロジェクトは目標金額の2380%もの達成率を記録し、1012人の支援者から応援を受けました。当初は失敗を恐れていましたが、発売開始から20分で目標金額に到達。その反響の大きさに驚くばかりでした。

クラウドファンディングからの声

クラウドファンディングで購入した人々からは、一般販売を望む声が多数寄せられましたが、製造の特性上、季節によって生産量に変動があるため、長らくお待たせしてしまったことが悩みの種でした。それでもいよいよ公式発売にこぎつけることができました。

コールドプロセス製法の魅力

「木村石鹸の木村石鹸」は、冷温でじっくりと生産されるコールドプロセス製法を採用しています。この製法によって、油脂の酸化を抑え、高品質な石鹸が出来上がります。敏感な香りを持つ精油も失われることなく、しっとりと優しい洗い心地を実現しています。しかし、この製造には職人技が欠かせず、細かな条件が異なるだけで全く違うものができてしまうのです。

木村祥一郎社長の想い

木村石鹸工業の代表、木村祥一郎氏は、「今この時代に固形石鹸を復活させることは大きな挑戦でした」と語ります。効率が重視される現代でも、手間を惜しまないものづくりの大切さを、彼自身が実感しています。固形石鹸の魅力を再発見し、それを多くの人に届けたいと願っているのです。彼はまた、「不揃いでも手作りの良さがある」として、石鹸の使い心地の良さを感じてくれる人が必ずいると信じています。