メットガラ2025での華麗なる姿
今年のメットガラでは、女優でありグラミー賞ノミネートのミュージシャン、ハリー・ベイリーが注目を集めました。彼女が身に着けたのは、コーチのクリエイティブ・ディレクター、スチュアート・ヴィヴァースによるカスタムルック。ニューヨークのメトロポリタン美術館で行われたこのイベントは、「Superfine: Tailoring Black Style」という展覧会を祝うもので、ベイリーの衣装はハーレム・ルネサンスにインスパイアを受けた特別なものです。
インスピレーションに満ちたルック
ハリー・ベイリーが選んだこのカスタムルックには、ネイビーとクリームのウールを使用したピンストライプジャケットが特徴です。このジャケットは、サヴィル・ロウの伝統に則った職人の手によって丁寧に仕立てられており、400年以上続くテーラリング技術の結晶と言えるでしょう。そこには、1万個以上のトーン・オン・トーンのパヴェクリスタルが施されており、それぞれが手作業で仕上げられています。職人たちの技術が一目で分かる、まさに芸術作品とも言える一着です。
現代とクラシックの融合
このスタイルの魅力を一層引き立てるのが、ニューヨークで製作されたシルクサテンのコルセット。こちらにもパヴェクリスタルが散りばめられ、クラシカルなテイストにモダンな輝きが加わります。また、足元にはプラットフォームヒールが採用され、全体を通じて見せる華やかさが一層引き立てられます。
さらに、ハットデザイナーのスティーブン・ジョーンズが手掛けたデニムラインストーン付きのヴェールや、アーカイブからインスパイアを受けた“キスロック クラッチバッグ”によって、ルックは完成します。ベイリーの衣装が表現するのは、1920年代から30年代のテーラードスタイルと1970年代の華やかさの融合。これにより、ズートスーツを想起させるシルエットが生まれ、ファッション史における自己表現の重要性を再確認させてくれます。
文化の力を称賛
ヴィヴァースはこのカスタムルックについてこう語ります。「アメリカの文化に根ざした物語からインスピレーションを得て、これは歴史とクラフトの力を称えるものです。」彼の言葉からは、ブラックファッションの伝統がアメリカンスタイルに与えてきた影響力が十分に伝わってきます。コーチのブランドが持つクラフトマンシップやセルフエクスプレッションに対するこだわりも、このルックから明らかです。
さらに、ハリー・ベイリー自身もこのルックに対する想いを述べています。「ハーレム・ルネサンスという重要な時代を讃えるこのカスタムルックに関わることができて誇りに思います。先人たちのスタイルと創造性をファッションで表現できたことが喜びです。」
コーチの背景と展望
コーチは1941年にニューヨークで設立されたグローバルファッションブランドであり、ヴィヴァースのビジョンが色濃く反映されたスタイルが特徴です。どんな背景の人でも受け入れるインクルーシブな姿勢を持ち、自分らしさを大切にする美しいものづくりを目指しています。また、コーチはタペストリー・インクの一部であり、証券取引所にも上場されています。
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