生理痛を共同体験することで得られた貴重な理解――千葉中での生理セミナー開催

生理痛を共同体験することで得られた貴重な理解

2025年10月1日、千葉県立千葉中学校が主催した生理セミナーが、株式会社Be-A Japanの協力のもとで開催されました。このイベントでは、中学3年生の男女80名とその保護者を対象に、生理についての正しい知識を伝え、より良い理解を促進することが目的とされています。

生理を通じた思いやりの学び

このセミナーは、千葉中学校の生徒、特に渡辺さんの提案からスタートしました。彼女は、自身の体験をもとに、学校や社会全体でのジェンダー理解を深める必要性を強く感じ、セミナーの開催を実現させました。主催者であるGBAプロジェクトは、これまでにも多くのセミナーを行っており、男女を問わず生理に対する理解を深めるプログラムが展開されています。

VR技術を使った生理痛の疑似体験

特に注目されたのは、リンケージ社の生理痛VR体験装置「ピリオノイド」を使用した、実際の生理痛の疑似体験です。体験者には筋電気刺激装置が装着され、腹部に刺激を与えることで痛みを体験しました。このユニークな体験は、生徒たちに“痛みの個人差”や“共感の重要性”を身をもって感じさせる機会となりました。

実際にこの体験を行った生徒たちからは、「お腹が何度も強く押されている感じがする」とか、「この状態での50m走は無理だ」と驚きの声が上げられました。女子生徒からはこの体験を通じて、自分の痛みの強さを再認識し、他者の痛みを理解する重要性を感じたと語っています。

グループディスカッションで深める理解

さらに、セミナー中にはグループディスカッションも行われ、生徒たちが生理に関する様々なテーマについて話し合いました。具体的なテーマとしては、期末試験当日の生理痛に対する学校の配慮や、体育の授業の平等性、突発的な生理へのサポート方法などが挙げられました。

生徒たちは自己の視点から意見を交わし、意識を高めることができたようです。実際の体験を基にしたディスカッションは、彼らにとって非常に有意義なものとなり、自身だけでなく、他者の痛みに寄り添う考え方を育むことにつながりました。