日本唯一の別珍の手仕事、その技術と情熱を映像で辿る

最近、日本の伝統的な手仕事を映し出した映像作品が話題を呼んでいます。その名も「遠州から世界へ」。この作品は、遠州にある唯一の別珍産地で活躍するカッチング職人、阿部さん（89歳）の技術と情熱を記録しています。日本にはわずか4人しか存在しない別珍カッチング職人の一人として、阿部さんの熟練した技術は、まさに貴重な宝です。

別珍とは？

別珍（べっちん）は、日本独自の織物技術を用いた生地で、その柔らかな風合いや特異な質感が特徴です。遠州地方では、昔ながらの旧式シャトル織機を使い、手間暇惜しまずに生地を編み上げています。この技術は長い歴史の中で守られてきましたが、現代では後継者不足が深刻な問題となっています。

映像の中で語られる阿部さんの職人人生

YouTubeで公開された「遠州から世界へ」では、阿部さんの技術の秘密や、別珍カッチング作業の様子、そして阿部さんの職人としての思いを丁寧に紹介しています。動画では、阿部さんが手がける加工工程の詳細に加え、後継者育成への課題にも触れており、視聴者に強いメッセージを送っています。

HUISと映像制作の背景

この映像制作を行ったのは、アパレルブランドHUIS（ハウス）です。HUISは浜松市を拠点に、遠州織物を使用したアパレル製品を展開している企業で、世界で唯一の別珍生地を使用した商品を販売しています。会社設立からこれまで、産業や技術を後世に残す活動を行ってきたHUISは、阿部さんと協力し、この貴重な映像を制作しました。

別珍職人たちの未来

映像は、単に技術を紹介するだけでなく、別珍加工の背後にある文化や想いをも伝えています。HUISは、後継者不足を乗り越え、職人技術を未来に繋いでいくことを掲げています。この映像が、多くの人々に伝わることで、別珍職人たちへの理解が深まり、後継者が生まれるきっかけになればと願っています。

今後の展望

HUISでは、映像制作のほかにも、遠州の伝統文化や技術を広めるための様々なプロジェクトに取り組んでいます。2024年には、主婦と生活社より書籍を出版予定で、これを機に、さらなる認知度向上を目指しています。

詳しい動画はこちらから見ることができます。是非、阿部さんの素晴らしい技術を確認し、遠州の別珍の魅力を感じてみてください。