肌の内部構造とキメの関係を探る新しい研究
株式会社富士フイルムが、この度開発した三次元皮膚モデルが、肌表面のキメ様構造に及ぼす影響を示唆する成果を発表しました。本記事では、その背景や研究内容、さらに今後の展望について詳しくご紹介します。
皮膚構造の重要性
近年、私たちの肌の健康や美しさは、内部構造に大きく依存していることがわかっています。特に、基底膜という皮膚内部の構造が、肌表面のキメにどう関わるのかは長年の研究テーマでした。しかし、実際の皮膚を模した皮膚モデルは十分に開発されておらず、研究者たちはその解明に苦労してきました。
新たな三次元皮膚モデルの開発
富士フイルムは、この課題に対し独自のアプローチで解決を図ってきました。まず、基底膜の凹凸構造を正確に再現した三次元皮膚モデルを開発しました。これは、富士フイルムが長年培ってきた画像解析技術と3Dプリント技術を駆使したものです。
具体的には、実際のヒト皮膚の基底膜の三次元画像を取得し、それに基づいて金型を作成。これを使い、多孔性基材に凹凸構造を転写し、その上にヒト表皮細胞を播種することで、よりヒト皮膚に近いモデルが完成しました。この技術の革新は、化粧品分野において新しい可能性を開いています。
研究成果の評価
この三次元皮膚モデルは、従来の平坦なモデルと比較してバリア機能が顕著に向上していることが確認されました。具体的には、経皮電気抵抗値(TEER)を測定したところ、凹凸構造を持つモデルは高いバリア機能を示したのです。また、角層厚や表皮厚も増加し、これが肌の保湿力や外的刺激への抵抗力に寄与していることが示唆されています。
さらに、免疫化学染色による解析では、表皮の分化マーカーや幹細胞制御マーカーにおける発現の変化も観察されました。これにより、皮膚の成熟度や機能が高まっていることが明らかになりました。
キメ様構造との関連性
さらなる研究では、この三次元皮膚モデルを用いて、基底膜の凹部に対応する皮膚表面に皮溝様構造、凸部に対応する皮膚表面には皮丘様構造が見られ、これによって肌のキメ様構造が形成されることが確認されました。これにより、皮膚内部の構造がその表面の状態に強く影響を及ぼすメカニズムが解明されつつあります。
今後の期待
今回開発されたこの三次元皮膚モデルは、化粧品開発における新たな基準となる可能性を秘めています。成分や処方の効果を、皮膚の内部と表面の構造を同時に評価することができるため、今後の化粧品研究や開発において重要な役割を果たすことが期待されています。富士フイルムは、今後もさらなる研究を進め、皮膚科学の分野をリードしていくことを目指しています。
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本件に関する詳細な情報については、富士フイルムの化粧品事業部までお問い合わせください。