新技術で実現する軽やかなゲル感！セリサイトの魅力とは

日本の化粧品業界に新たな風を吹き込む技術が誕生しました。日本メナード化粧品株式会社と三信鉱工株式会社が共同で開発した「セリサイト」を利用したゲル化技術です。この技術は、使用感を劇的に向上させる可能性を秘めています。その魅力と、これからの化粧品業界における展望についてご紹介します。

セリサイトって何？

セリサイト（絹雲母）は、天然の粘土鉱物で、しなやかな光沢を持っています。この鉱物は主にファンデーションなどの化粧品に使用されており、肌の上で滑らかに伸びることが特徴です。そのほかにも、銀白色の光沢と高い透明感を併せ持ち、美肌効果も期待されます。特に肌の皮脂を適度に吸着する特性があるため、化粧崩れを防ぐ効果もあり、様々な化粧品に重宝されています。

新たなゲル化技術の発見

従来のゲル化剤には、使用感が重い、のびが悪いといった課題がありました。これに対処すべく、メナードと三信鉱工は「セリサイト」に着目しました。この研究を通じて、微細化されたセリサイトが水に触れることでゲルを形成することが分かったのです。

微細化によるゲルの形成

通常のセリサイトは、水を加えてもゲルを形成しませんが、湿式粉砕という手法を用いて、粒子のサイズを1マイクロメートル以下に微細化することで、新しい構造が誕生しました。これにより、粒子同士の相互作用が生まれ、隙間に水を抱え込むことでゲルが形成されたのです。この新技術によって、得られたゲルはみずみずしく軽やかな感触で、塗布後にもサラサラ感が持続するのが特徴です。

今後の化粧品開発に向けて

この新技術の発見は、化粧品開発の可能性を大きく広げました。軽やかで伸びの良い使用感を持つセリサイトのゲルは、従来の粘土鉱物のゲルと一線を画します。今後は、この特性を生かした新しい化粧品の研究開発が期待されます。

2025年10月には、大阪で開催される「粉体工学会2025年度秋期研究発表会」にて本研究の成果が共有される予定です。この機会に新たな化粧品の誕生を期待しましょう。