2025年の時間感覚と年代別意識の変化
6月10日の「時の記念日」に合わせて、セイコーグループ株式会社が発表した『セイコー時間白書2025』では、長寿化が進む現代における人々の時間に対する意識と実態が調査されました。この白書は、毎年行われる調査の結果をもとに、人生100年時代を生きる私たちが、時間をどう捉えているのかを探ります。
年代による時間への価値観の違い
調査によると年代によって時間の捉え方が大きく異なります。10代は「将来について楽観的」な考えを持ち、豊かな時間を楽しみにしています。一方で、30代から50代の世代は、将来に対して悲観的な意見が多く見られましたが、60代になると再び前向きな意識が戻ります。特に60代の人々は、老後に対する不安感が軽減され、楽しみを持って未来を見据えていることが浮き彫りになりました。
タイムパフォーマンス(タイパ)とAIの活用
また、調査結果は「タイムパフォーマンス」意識が増加していることも示しています。おおよそ60.4%の回答者がタイパを意識して生活しており、特に10代ではその意識が顕著。AI技術が日常生活に浸透し、時間を効率的に使用するためのサポート役を果たしていることもあわせて感じられます。10代の71%がAIの普及を感じ、「生産性が上がった」と実感している人も多くいます。こうした新しいツールを上手に活用することで、時間の「幸福度」や「満足感」が高まっていることが伺えます。
生活の現状と人々の心情
さらに、2025年の時間に関する調査では、64%の人が「時間に追われている」と回答し、56.9%は「1日の24時間では足りない」と感じています。このように多忙な現代人は、時間に対する意識がますます強くなっていることが分かります。特に、現在の生活を表す言葉として「ばたばた」が3年連続で1位に選ばれ、心情を表す言葉でも「イライラ」がトップの結果となっています。
まとめ
『セイコー時間白書2025』の結果は、私たちにとっての時間の意味を再考させるものであり、特に世代間の意識の違いは興味深いです。今後も生活スタイルや価値観が変化する中で、時間の使い方やそれに対する考え方も進化していくことが予想されます。世代を問わず、より自分らしく充実した時間を過ごすために、これらの調査結果を参考にしていきたいですね。
(撮影:落合直哉)
調査概要
- - 実施時期:2025年4月8日〜4月16日
- - 調査手法:インターネット調査
- - 調査対象:全国の15歳〜69歳の男女1,200人