デリケート部位の安全性評価を革新するロート製薬の取り組み

株式会社ロート製薬が、デリケート部位専用の洗浄剤に関する新たな安全性評価方法を開発しました。この革新的なアプローチは、同社の経営ビジョン「Connect for Well-being」の一環として実施され、市場におけるフェムケア製品の信頼性向上に寄与できる可能性があります。

研究成果のポイント

ロート製薬が新たに確立したこの評価法は、デリケート部位という未開拓の分野において、従来の皮膚用製品以上に慎重な安全性設計を実現。三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデルを用いた実験により、デリケート部位専用洗浄剤の刺激性を正確に評価できるように設計されています。これにより、製品開発においても新しいアプローチが可能となりました。

研究の背景

最近、デリケート部位に対する関心が高まる中で、においや乾燥、かゆみなどの悩みを抱える女性が増えています。しかし、このエリアは皮膚が非常に薄くバリア機能が低いため、刺激リスクが高まっていることから、安全性評価が特に重要視されています。これまでのフェムケア製品の開発では、十分な評価基準が確立されていなかったため、ロート製薬は新たな試験法を開発する運びとなりました。

研究成果の具体的な内容

本研究では、自社開発品のデリケート部位専用洗浄剤に加え、敏感肌用洗浄剤をもとに刺激性評価を行いました。三次元培養ヒト膣粘膜モデルを用いた試験では、デリケート部位専用洗浄剤の細胞生存率が94.8%という高い結果を示し、刺激性が低いことが確認されました。また、実際のヒト実使用試験でも、対象者25名の評価からほぼ全員が安全性を実感していることが明らかになりました。

今後の展望

ロート製薬は、この新しい評価技術を活用して、より多くのフェムケア製品の安全性を確保し、消費者の安心感を高めることを目指しています。また、外部機関との積極的な連携を進めつつ、ガイドラインの準備を進めることで、業界全体の安全性基準を向上させることにも注力する意向です。これにより、より広範なフェムケア市場においても、ロート製薬がリーディングカンパニーとしての地位を確立することが期待されています。