JINSと大阪大学の共同研究がもたらした新たな知見
株式会社JINSと大阪大学大学院医学系研究科が共同で進めた研究が、この度世界的に権威のある眼科学専門誌『Investigative Ophthalmology & Visual Science(IOVS)』に掲載されました。この研究は、日本全国のJINS店舗のビッグデータを活用し、近視や乱視の疫学的特性を解析したもので、その貴重な結果が眼科医療の発展に寄与することが期待されています。大学院教授の川崎良氏と准教授の高静花氏が主導し、これまでの研究では得られなかった大規模データ分析が行われました。
研究の背景と目的
近視は、特に若年層での増加が見られ、社会的な課題に直面しています。JINSは「近視をなくす。目を通じた、幸福の追求を。」というサステナビリティのコミットメントを掲げ、目の健康と医療に貢献することを目指しています。共同研究は、全国47都道府県に展開するJINS店舗で得られた膨大なメガネ販売ビッグデータをもとに、従来とは異なる視点から屈折状態を分析することに重きを置いています。
近視における疫学研究の結果
近視に関する研究は、年齢や性別に基づく屈折の変化を詳細に調査し、以下の重要な知見が得られました。
- - 近視の進行は、男性が30歳、女性が29歳まで続くことが示され、これまでの『18〜21歳で安定』という常識を覆しました。
- - 近視進行速度は、特に6~7歳において最も速く、その後年齢と共に緩やかになることが知られています。
- - 強度近視は、10歳未満の学童でも1.3%が確認され、将来的な視力障害のリスクを警告しています。
これらの研究結果から、早期の近視進行抑制が重要であることが再認識され、眼科医療現場への応用が期待されます。
乱視における疫学研究の重要なポイント
もうひとつの研究では、乱視の年齢別の割合や特徴に焦点を当て、以下のような結果が得られました。
- - 乱視の割合は、10歳から徐々に増加し、20歳では約2割に達することが示されました。
- - 加齢に伴う変化では、50歳以上で乱視が急増し、特に直乱視から倒乱視への移行が顕著であることが確認されました。
- - 左右差の非対称性が混在していることも明らかにされ、個別の視力矯正が求められる重要性が指摘されています。
これらの知見は、年代を問わない乱視の検知と適切な矯正がいかに重要かを示しています。
今後の展望
JINSは、この研究を通じて得られた知見を最新の眼科医療に活かし、今後も専門家と連携しながら人々の眼の健康を守るための探求を続けていく予定です。また、川崎教授は次のステップとして、これらのデータを他の疫学調査と比較し、より長期の傾向を明らかにすることも考えているとのことです。
ちなみに、メガネ販売のビッグデータを用いた臨床研究は日本初の試みであり、期待される影響は計り知れません。このあらたな研究成果が、より良い眼科医療の実現を目指す一歩となることを願っています。