ビーグレンの進化した浸透技術が肌機能改善に期待される新発表

ビーグレンが発表した浸透技術QuSome®

2025年3月26日から29日にかけて開催された日本薬学会第145年会において、ビバリーグレンラボラトリーズ株式会社が独自のナノ浸透技術「QuSome®（キューソーム）」についての最新の研究成果を発表しました。この技術は再生医療領域でのドラッグデリバリーシステム（DDS）に基づき開発されたもので、スキンケア分野における新たな可能性が期待されています。

QuSome®の革新性

この技術の中心的な要素であるPEG脂質（ジアシルグリセロールPEG付加物）が、皮膚のバリア機能に重要なフィラグリン（FLG）やロリクリン（LOR）、水分保持に関連するアクアポリン3（AQP3）の発現を促進することが分かりました。この成果は、浸透促進の役割を超えて、構成成分自体が皮膚機能の向上に寄与する可能性を示唆しています。

研究の背景と目的

皮膚は、外的要因から身を守るための重要なバリア機能を担っています。この機能を維持するためには、角層の健康が欠かせません。ビーグレンでは、再生医療でのDDSの考え方を活かし、成分を必要な部位に届ける浸透技術を開発。今回の研究は、その素材であるPEG脂質が皮膚機能に与える影響を明らかにすることを目的としています。

実験方法

実験は二つの方法で行われました：
1. 細胞試験：ヒト正常表皮角化細胞を使用し、リアルタイムPCR法で因子の遺伝子発現を評価。
2. 三次元皮膚モデル：培養表皮を用いてタンパク質レベルでの変化を観察しました。

結果と考察

実験の結果、PEG脂質がフィラグリンやロリクリン、アクアポリン3の発現を促進することが明確になりました。特に、抗酸化経路に関与する転写因子Nrf2の活性化が重要な要素であると考えられ、これにより皮膚のバリア機能や水分保持機能の改善に寄与する可能性が提唱されています。

また、三次元皮膚モデルにおいても、単回および連続処理での発現増加が確認され、科学的根拠としての重要性が示されました。これまでキャリアとしての役割が強調されていたQuSome®が、今後は成分そのものが皮膚の機能に直接影響を与えることに注目が集まります。