地域コミュニティを活性化する「パンフォーユーBiz」の新しい冷凍パンビジネス

福島県南相馬市小高区に位置する人口3,800人の町で、株式会社パンフォーユーが提供する業務用冷凍パン仕入れサイト「パンフォーユーBiz」が話題を呼んでいます。ここでは、地域カフェとコワーキングスペースを併設した私設公民館「アオスバシ」が導入し、年間5,000個ものパンを販売する成功事例が誕生しました。

「パン屋を持たない選択」の背景

「おいしいパンを求める声は多くでも、職人を抱えて焼くのは現実的ではありませんでした」と語るのは、一般社団法人オムスビの代表理事、森山貴士さん。地域のニーズに応えるために、アオスバシは全国のこだわりベーカリーから業務用冷凍パンを仕入れる道を選択しました。

地域の食体験を豊かにする取り組み

アオスバシでは、月に1回程度、常時3〜4のベーカリーから約20品を取り揃えています。冷凍パンは大量仕入れを可能にし、在庫のゼロを防ぐことができるのも利点の一つ。森山代表は、「お客様は一度に2,000円以上の買い物をされることも多い。冷凍パンならではの特性が好評を得ている」と話します。

さらに、さまざまな年代のお客様が楽しめるよう、幅広い種類のパンを取り揃えるために冷凍ストッカーも増設。地域の人々に新しい食体験を提供しつつ、全国のパン文化にも触れる機会を創出しています。

パンがもたらす新たな交流の場

パンがアオスバシに導入されて以来、地元住民だけでなく、旧避難地域や近隣の町からも多くの来訪者が集まっています。森山代表は、「美味しいパンとコーヒーの存在が人を呼び、結果としてさまざまな交流が生まれるんです」と熱く語ります。この「冷凍パン」が地域の新たな“呼び水”となり、コミュニティの活性化に寄与しています。

成功のカギとなる3つのポイント

冷凍パンの導入に成功した背景には、いくつかの要素が挙げられます。まずは、生活導線に応じた出張販売構想で、地域のニーズをしっかり把握すること。次に、平均2週間のリードタイムに適応できる在庫戦略の確立が必須です。そして最後に、商品の提案力。パンの温め方やベーカリーのストーリーを紹介することで、ファンを生む効果があります。