育児とキャリアの両立を叶える新制度
化粧品業界において、育児とキャリアを両立させることは新たな挑戦ですが、広島県のシーオーツープラス株式会社が新しい一歩を踏み出しました。この会社では、すべての女性社員がワーキングマザーであり、そのうち20%の女性が3人以上の子どもを育てるという、ユニークな労働環境を構築しています。
新たな取り組みの背景
シーオーツープラスは、創業75年を迎え、女性が活躍できる働きやすい環境づくりを企業の核として推進しています。社長の髙橋弘美氏も自身の子育てとキャリアの両立が難しかった過去の経験から、同社の女性社員が育児と仕事を両立できる環境作りに注力する決意を持っています。これまでの実績を踏まえて、2025年4月より新たに3つの制度を導入することが決定しました。
1. ジョブローテーション制度
この制度は、社員が複数の職種を経験できる仕組みです。例えば、営業事務が製造現場を体験したり、薬事担当者がお客様センターでの業務を担うことで、広範なスキルを獲得することができるようになります。これにより、異職種の業務を理解し、キャリアをさらに豊かにしていくことが期待されています。
2. ワークアップパス
女性がライフスタイルに合わせてパートから短時間正社員、そして正社員へと成長できるキャリア形成プログラム「ワークアップパス」が導入されます。この制度を利用することで、育児がひと段落した後でも働く道を広げることができ、実際に多くのパート社員が短時間正社員にステップアップしています。
3. キープラーニング制度
全従業員が資格取得に挑戦できる「学びの支援制度」を設け、社員のスキルアップをサポートします。この制度により、社員は化粧品検定などの資格取得を目指し、合格者には社長賞が授与されます。学び続けることでキャリアの可能性を広げ、より高度な業務への挑戦を促進します。
先進的な働き方の実現
過去にもシーオーツープラスはテレワークやフレックス制度を導入し、家庭と仕事の両立を支援。社員たちは高齢者でも働ける環境を整え、78歳の男性社員が現在も活躍中という事例もあります。会社全体が業務効率を高め、残業ゼロを実現したことで、安心して仕事を続けられる職場環境を整えています。
3世代にわたる働き方の実現
また、親子3世代で同社で働くケースもあります。ある女性社員は、義理のお母様や義理のお祖母様と共に働き、6人の子どもを育てながらキャリアを活かしています。こうした成功事例は、他の社員の励みとなり、働き続ける女性たちの希望を象徴しています。
今後の方針
シーオーツープラスは、これからも女性が成長し続ける環境づくりを目指して、社内起業や新規プロジェクトへの参画機会を創出し、全ての社員が夢を実現できる未来を描いていきます。地元の高校生との連携や地域貢献活動を通じて、地域社会とのつながりを大切にしながら、新しい価値の創出に挑戦していく所存です。
女性たちが自身の能力を存分に発揮でき、しかも家庭と仕事の両立を実現できる職場。このような環境が整うことで、より多くの女性が前向きにキャリアを進めていける未来が期待されます。