スリーハイの新たな挑戦「OMOU 2025」
株式会社スリーハイは、横浜市に本社を構える町工場で、産業用ヒーターを製造・販売しています。そのスリーハイが5月8日に発行した統合報告書「THREE HIGH ANNUAL REPORT OMOU 2025」(以下、「OMOU 2025」)は、同社がそれまでのサステナビリティレポートを基に、地域との関係性や企業活動全体を明らかにすることに力を入れています。
「OMOU 2025」の背景と目的
スリーハイが位置するのは住宅街に近い準工業地域。地域との信頼関係がなければ事業の継続は難しいという課題を抱えている中、「地域と共に生きる」という理念に基づき、10年以上にわたって地域貢献活動に取り組んできました。しかし、企業価値向上への寄与について十分に伝えきれていないという問題もあったのです。
そのため、2020年からは大企業のサステナビリティ情報が注目される中で、スリーハイも同様の情報発信を始め、2021年には最初の「Sustainability Report 2021」を発行しました。この動きは、企業の価値が財務情報だけでは測れない時代背景に基づくもので、従業員の採用や取引、融資の判断においても見えない価値、つまり企業の姿勢やストーリーが重視されています。
OMOU 2025における重要なポイント
1. ステークホルダー起点の重要課題解明
OMOU 2025では、顧客、取引先、地域社会、従業員からの157件のアンケートを基に、スリーハイが優先して取り組むべき課題を特定しています。その結果、以下の6つの「重要課題」(マテリアリティ)が設定されました。
- - 顧客満足度向上
- - 製品・サービスの安全性向上
- - 従業員の健康と安全確保
- - 有害物質削減
- - 地域貢献活動
- - 温室効果ガス削減
地域からの信頼を得るだけでなく、企業としての信頼性を強化するための施策が盛り込まれています。
2. 温室効果ガスの可視化と削減計画
スリーハイは、企業活動による温室効果ガス排出量を長期的に実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指しています。2025年には、脱炭素経営アドバイザーと共同で、Scope1〜3を含む温室効果ガスの排出量を可視化し、その結果に基づき削減計画を策定します。この取り組みは、企業としての責任を果たすだけでなく、サプライチェーン全体の持続可能性を高めることにも貢献します。
3. 「スリーハイの解剖図」による視覚化
レポートには新たに「スリーハイの解剖図」が掲載され、同社の企業価値向上に寄与するステークホルダーとの関係性を可視化しています。この図は、企業がどのように収益を得ているのか、また地域社会との関係がどのように形成されているのかを詳しく示しており、スリーハイの理念を具体的に表現しています。
4. 特別対談の実施
OMOU 2025の発行を記念して、スリーハイの取り組みが社内外にどのような影響を与えたかをテーマにした特別対談も行われました。これを通じて、企業評価や融資条件への高さの影響について、より深く理解する機会となっています。
未来への展望
スリーハイの代表取締役男澤誠氏は、この成果が従業員一人ひとりの日々の取り組みの積み重ねによるものであり、今後も「OMOU 2025」の内容を対話の起点とし、地域や顧客との関係性を深めていく考えを明らかにしています。企業価値の可視化に向けた取り組みは、他の中小企業の模範となるべきモデルとしても注目されています。
「OMOU」はただの取り組み報告書ではなく、スリーハイのストーリーを語る場なのです。今後もこのような取り組みを通じて、地域の発展と日本のものづくりの未来に貢献していくことでしょう。