心温まる舞台「父と暮せば」が岩国で上演
井上ひさしの名作『こまつ座「父と暮せば」』が、2025年8月2日、シンフォニア岩国で上演されます。この作品は、原爆投下による悲劇を抱えながらも、日常生活の中にある人々の優しさや絆を描いており、多くの観客から深い感動を呼び起こしてきました。
過去の公演での反響
本作は、全国でわずか3カ所(東京、茨城、岩国)でしか観ることができない貴重な舞台です。特に東京公演では、15日間にわたり熱演が続き、多くのメディアに取り上げられました。SNS上では、来場者たちから「今の時代だからこそ観るべき舞台」との評価が相次いでおり、その感想は心に残るものばかりです。観る人々が抱いた感想の中には、「作品を通して未来について考えることができた」とか「日常の中にある小さな幸福に気づかせてくれる」といった声も見受けられます。
物語の舞台と登場人物
物語は、昭和23年の広島を舞台に展開します。原爆によって両親を失った23歳の美津江は、一人で図書館で働きながら静かな日々を過ごしています。そんな彼女の心の中には、密かに寄せる恋心がありますが、父を失った悲しみから「自分は幸せになってはいけない」と無意識に自分を縛っています。そこに亡くなった父、竹造が「恋の応援団長」として現れることで、物語はユーモアとともに進展していきます。この父娘のやりとりは、思わず笑みを誘い、同時に心の奥にある感情を揺さぶります。
舞台に込められたメッセージ
「父と暮せば」は、戦後80年の歴史を背景にしているにも関わらず、ユーモラスなやりとりと、当時の人々の活力が感じられる作品です。原爆という重いテーマを扱いながらも、登場人物たちの明るさによって観客は希望を見出すことができます。この物語を通じて、観客は過去を振り返るとともに、未来に向かって一歩踏み出す力を与えてくれることでしょう。
こまつ座とキャスト
こまつ座は、1983年に井上ひさしが立ち上げた劇団で、本作は彼の代表作とされています。演出は、日本を代表する演出家、鵜山仁が手がけており、彼の情熱がこの作品を一層引き立てています。今回の公演では、長崎出身の松角洋平さんが竹造役、福岡県出身の瀬戸さおりさんが美津江を演じます。二人の演技からは、観る者の心に深く響く感動を与えてくれることでしょう。
公演詳細
【公演日時】2025年8月2日(土) 14:30開演(13:45開場)
【会場】シンフォニア岩国 コンサートホール
【料金】全席指定4,000円、25歳以下の学生2,000円(未就学児入場不可)
【主催】シンフォニア岩国
【後援】山口県、山口県教育委員会、岩国市など
多くの人々に観ていただきたいこの舞台「父と暮せば」。あなたも心温まる体験をしに、ぜひ足を運んでみてください。