マンダムと化粧品メーカー5社が皮膚刺激性試験で特別賞受賞

皮膚刺激性試験の新たな地平へ

日本の化粧品業界で注目を集めているのが、株式会社マンダム（本社：大阪市）をはじめとする主要メーカー5社による皮膚刺激性試験の共同研究です。特に、2024年11月29日から12月1日までライトキューブ宇都宮で開催された日本動物実験代替法学会第37回大会での発表が、大会長特別賞を受賞したことが、業界内での話題となっています。

皮膚刺激性試験の背景

近年、消費者の安全意識の高まりとともに、化粧品の安全性評価が求められています。特に皮膚刺激性評価に関するガイダンスにおいては、厚生労働省から出された基準に沿って、皮膚に対するリスクの低い成分が評価の対象とされています。これに取り組むため、マンダムは他の化粧品メーカー、小林製薬、サンスターグループ、TOA、ロート製薬、そして研究機関のジャパン・ティッシュエンジニアリングと連携し、動物実験の代替法を研究してきました。

共同研究の目的

共同研究の主な目的は、評価基準の拡大を図ることです。従来の評価システムでは、未希釈状態での試験結果が求められ、希釈した際の影響についてのデータが不足していました。これに対し、各社は希釈した製品の安全性を評価するための試験データを蓄積し、より実践的で多様な化粧品評価を目指しました。

受賞の意義

大会長特別賞を受賞したことは、これまでの成果を拡充する大きな一歩となります。特に、研究助成金を通じた支援を受け、ヒト3次元培養表皮を用いた新たな試験を行い、24成分に対する相関性データを取得したことは、今後のガイダンス改定に大きな影響を与えるでしょう。これまでの動物実験に依存する評価方法から、より人に優しい方法へとシフトしていく流れを作ることが期待されています。

今後の展開

マンダムは、さらに専門的なデータベースの構築を進め、取得した知見をもとに業界全体の信頼性向上を図る予定です。また、化粧品業界での動物実験代替法の利用が加速しつつある現状を踏まえ、他のメーカーとの差別化を図りつつ、安心・安全な商品を消費者に届けることを目指しています。

まとめ

マンダムの取り組みは、化粧品業界における皮膚刺激性評価の新たなスタンダードを築く可能性を秘めています。今後の研究成果や新たに得られるデータが、業界全体のさらなる安全性向上につながることが期待されます。消費者にとっても、より安心して使用できる化粧品が提供される環境が整いつつあり、注目が高まる中、これからの展開から目が離せません。