サファイアテラが三陽商会に求める株主還元と戦略の再考

サファイアテラが三陽商会に対し求める株主還元策

最近、米国シカゴを拠点にするサファイアテラ・キャピタルが、株式会社三陽商会に対し、より積極的な株主還元を求めていることが明らかとなりました。これまで三陽商会には継続的な投資を行ってきたサファイアテラですが、経営環境の変化や株価の停滞から、現状の価値を再評価すべきだと考えています。

サファイアテラの投資状況

サファイアテラは2017年より、三陽商会に投資を続けており、経営陣交代や株主提案を経て、現在に至るまで安定した関係を築いています。最近、サファイアテラが保有する三陽商会の株式が発行済株式の5%を超え、大量保有報告書の提出に至りました。これは、同社の提案内容を広く一般の投資家と共有する目的でもあります。

三陽商会の現状評価

現在、三陽商会の株価は市場での本来の価値を反映できておらず、PBRが0.8倍という低水準で推移しています。サファイアテラでは、三陽商会の本源的価値を保守的に見積もっても4,400円以上と試算しており、現在の価格からすると約65%の上昇余地があります。この株価の低迷の背景にあるのは、同社が過剰資本の状態にあるとともに、新規出店や新ブランド立ち上げに伴う在庫の増加が投資家の不安を招いているためです。

資本政策の提案

サファイアテラは、三陽商会が過剰資本を解消し、資本効率を向上させるための具体的な提案を行っています。現在のDOE4%という配当政策に加え、40億円の自己株式を即時取得することを促しており、今後3年間で120億円（年間40億円）の自己株式の取得を進めるべきだとしています。このような資本政策により、企業価値の向上を図れると考えています。

戦略的方向性の再考

また、三陽商会には長期的な戦略的方向性についての再考を求めています。独立した上場企業として事業を継続する場合、拡大路線ではなく既存ブランドに注力し、高い資本効率を実現することを提案しています。一方で、より大きな資本傘下に入る選択肢、具体的には三井物産の完全子会社となる道も考えられます。これにより、既存ブランドの成長や新規ブランドの立ち上げが促進される可能性があります。

サファイアテラの期待

サファイアテラ・キャピタルは、三陽商会の経営陣がこれらの提案を前向きに検討し、企業価値向上のための具体的な行動を起こしてくれることを期待しています。これにより、投資家の懸念は解消され、株主還元が実現することが期待されます。

お問い合わせ先は、サファイアテラの公式サイトに記載されており、さらなる情報はそちらから得ることができます。