高校生たちが見つめるテレビ業界の今
近年、特に若者の間で顕著になっているのがテレビ業界への関心の低さです。この傾向は「ワカモノリサーチ」による調査によっても明らかになりました。全国の現役高校生に向けた「テレビ業界で働いてみたいと思いますか?」という質問に対し、なんと61.4%が「働きたいと思わない」と答えたのです。この数字から、高校生たちがテレビ業界にどのような印象を抱いているのか、そしてその背景には何があるのかを探っていきましょう。
テレビ業界への興味が薄い理由
調査結果によると、高校生が「興味がない」と回答する理由は主に、テレビ業界の厳しさや仕事の不透明さに起因しています。「大変そうな割に給料が安そう」「上下関係が厳しそう」「長時間拘束されそう」などの意見が散見されました。これらは、過去のさまざまなニュースや問題が影響を及ぼしている結果とも考えられます。
例えば、フジテレビに関する問題や番組の終了騒動が報じられたことで、多くの高校生が「テレビ業界は闇が深い」という印象を持つようになったのです。「ブラックな職場」という言葉が、特に若者に響いているのかもしれません。
さらに、報道される内容が「暗い話ばかり」と感じることが、高校生たちのテレビ離れを加速させている要因の一つでしょう。
働きたいという少数派の理由
一方、38.6%の高校生が「テレビ業界で働いてみたい」と回答しました。その理由を探ると、意外にも「推しに会えるかもしれない」というミーハーな思考や、「楽しそうだから」など表面的な理由が多かったようです。つまり、彼らが持っている「働きたい」という気持ちは業界そのものへの憧れではなく、主に芸能人との接点に焦点を当てているということがわかります。
この中でも、制作に興味を持つ若者は特に「ドラマの制作に携わりたい」というポジティブな理由を挙げることが多いです。「自分が関わった作品が人々に喜ばれる」という純粋な思いが、彼らの中に根付いているのです。また、最近の動画編集ブームもあって、「編集作業に興味がある」という回答も多く見られ、TikTokやYouTubeの影響が色濃く出ています。
新しい時代の入口として
若者たちが自ら動画を撮影し、編集までするという環境が整った今、テレビ業界に対する観点も変わりつつあるのかもしれません。これまでのように「テレビ」だけに限らず、動画制作そのものが職業として認識され、興味を持つ若者が増えていることが、新たな“入口”として注目されます。
調査結果の詳細
今回の調査結果は「ワカモノリサーチ」から詳しく確認することが可能です。全国の高等学校との強いつながりを生かしたこの調査は、若者の実態をしっかりと捉えています。興味のある方はぜひ、詳細ページを覗いてみてください。
ワカモノリサーチの調査結果はこちら。
【調査期間】2025年9月13日〜9月25日
【有効回答数】101名
【調査方法】インターネットリサーチ
この新しい世代の声は、テレビ業界の未来を占う上で非常に重要です。若者たちの意見に耳を傾けることで、メディアのあり方も見直されるキッカケになるのではないでしょうか。