山田和樹が彩る、フランス音楽の美しきハーモニーと祈りの演奏会

日本フィル東京定期演奏会で感じる音楽の魔法

2025年11月28日及び29日に、山田和樹が指揮する日本フィルハーモニー交響楽団の第776回東京定期演奏会が、サントリーホールで開催されます。プログラムは、ラヴェルの名作《ボレロ》を含む、色彩豊かなフレンチ・プログラムです。

この演奏会は、山田和樹が「うちのオケ」と呼ぶ日本フィルとの深い絆を感じさせます。彼は10年間にわたってこのオーケストラの正指揮者を務めてきました。今年も自身の帰国公演を果たすため、念願の東京定期演奏会に登場することとなりました。

プログラムの魅力

コンサートは、ドビュッシーの最後のバレエ作品《遊戯》で幕を開け、続いて武満徹の「マイ・ウェイ・オヴ・ライフ」を演奏します。この作品は、田村隆一の詩に囲まれた武満の柔らかな響きが特徴で、聴く人に心の平穏をもたらします。

さらには、ラヴェルの名曲《ボレロ》が演奏され、最後にはプーランクの《スターバト・マーテル》で締めくくられます。これらの曲は、フランス音楽の持つ豊かな情感を感じさせる一方で、演奏の合間に織り込まれる人間の祈りや思索を誘います。

山田和樹の思い

山田和樹は、演奏会に向けて「音楽とは何か、どのような意味があるのかを考えながら生きている」と語っています。彼は、音楽の中に美しさや自然を見出し、それを聴衆と分かち合いたいと強く願っています。今回のプログラムでも、作曲家たちの作品を通じて深い問いを投げかけ、聴く人々の心に響くことを目指しています。

また、山田は日本フィルの独特な音の響きを称賛しており、特に「音楽が空中に浮遊する瞬間を大切にし、個々の音が一つに溶け合う感覚を求めている」と述べています。この音楽体験こそが、他のオーケストラにはない「日本フィル魂」なのかもしれません。

チケット情報

演奏会は2025年11月28日（金）と29日（土）に行われます。28日は残席が僅少ですが、29日は完売となっております。貴重な機会に、ぜひこの素晴らしい音楽を体験してみてはいかがでしょうか。

席はS席からYs席（25歳以下対象）まで用意されており、それぞれの価格も異なります。指揮を務める山田和樹に加えて、バリトンの加耒徹、ソプラノの熊木夕茉、さらに合唱団には東京音楽大学が参加します。