キリンホールディングス株式会社は、2025年7月から、AI役員「CoreMate」を同グループの経営戦略会議に導入しており、2026年4月にはキリンビール株式会社やキリンビバレッジ株式会社などのグループ事業会社でもその活用が開始される予定です。この新しい取り組みは、経営層の意思決定を支える重要なツールとして注目されています。
CoreMateの導入背景
キリンホールディングスは、「KIRIN Digital Vision 2035」に基づき、経営層の意思決定を効率化し、より多角的な視点からの議論を実現するためにAIを導入しました。AI役員「CoreMate」が導入されたことで、会議の内容や進行がどのように変化したのか、具体的な効果が明らかとなっています。
CoreMate導入後の効果
「CoreMate」が導入されてから、会議内の議論において以下のような特徴が見られるようになりました。
1. 多面的な議論の強化
AIの導入により、新しい観点が加わることや議論の視点を変える発言が約1.2倍に増えたというデータが確認されています。これは、事実確認にとどまらず、より深い議論が展開されることに寄与しています。
2. 未来志向の議論の定着
中長期の視点を重視した議論も活発化し、従来比で約1.4倍に増加しました。これにより短期と中長期の課題を駆使した、CSV(Creating Shared Value)の推進が加速され、持続的成長の土台が築かれています。
3. 生産性の向上
2025年9月には、会議の起案者が事前に多様な視点を考慮しやすくなる「事前壁打ち機能」が導入されました。これにより、会議時間が短縮されつつ、より正確な資料作成が促進されるという好循環を生み出しています。
グループ事業会社への展開
このような効果を踏まえ、キリンホールディングスはグループ事業会社においても「CoreMate」の活用を進めます。グループ戦略会議での視点が自然と組み込まれることで、グループ全体の意思決定の質が高まることが期待されています。各社で共通に使用できる標準アプリケーションとして再構築したCoreMateは、AI駆動開発によって効率的に実装されました。
今後の展望
今後は「CoreMate」内の複数のAI人格同士が議題を議論する「仮想会議」の導入が予定されています。これにより、AI役員同士の対話を通じて、検討プロセスや選択肢形成の過程が可視化され、経営陣は迅速に必要な論点を把握できるようになります。
キリンホールディングスは、デジタルの活用によって生産性向上と価値創造を両立させ、食と健康の新たな喜びを広げ、より良い社会の実現に貢献することを目指しています。
このように、AI役員「CoreMate」が実現する経営のデジタル化は、企業のイノベーションを加速させる鍵になることでしょう。