株式会社フジシロが挑む！スリット加工の革命と未来への技術革新

株式会社フジシロは、スリット加工の分野において80年近くの歴史を持つ企業であり、近年では新たな挑戦を続けています。2023年に新たな代表取締役、藤白広樹氏が就任し、今後の成長を見据えた事業戦略が進行中です。彼は従来の縁の下の力持ちの役割を超え、製品の裏側に潜む技術の重要性を広め、業界の認知度向上を目指しています。

工場から経営者へ

藤白氏は、東京都足立区の西新井に広がる工場で、幼少期を過ごしてきました。彼の父親が経営する「フジシロ」の中で、彼自身がどのようにスリット加工の存在を例えば納豆のフィルム製造という形で説明していたかを振り返ります。「子どものころ、友達に納豆屋と思われたこともありますが、私にとっては遊び場のような工場だった」と語る藤白社長。

やがて、祖父が創業した会社の役割への意識が変わり、医療系の専門職についてから家業への帰還を決意するまでの道のりは、その適応力と挑戦する姿勢を物語っています。

スリット加工の重要性

株式会社フジシロのスリット加工は、実は身近にある多くの商品の裏側を支えています。コンビニのおにぎりやシャンプーの詰め替えパック、さらには新幹線の部品にまで使われるこの技術。その存在は普段の生活に溶け込んでいますが、なぜかその技術が注目されることは少なくありません。

「スリット加工とは、ロール状のフィルムを必要なサイズに切り、再度巻くという一見シンプルな作業です。しかし、その技術には多くのノウハウと工夫が詰まっています」と藤白社長は述べます。特に、ポリエチレンのように扱いが難しいフィルムを成功裏に処理するための挑戦は、同社の大きな特長とされています。

新技術の導入

最近、株式会社フジシロは新しいスリッター機を導入しました。これは東京都中小企業振興公社の支援を受けて新たに設計されたもので、加工速度が従来の2倍になる見込みです。この設備投資により、環境対応フィルムや特殊なニーズに応えられる取り組みが進むことが期待されています。

新たに導入されたスリッター機は、その性能の向上だけでなく、同社の「環境対応フィルムへの加工技術構築」という目標を加速させる役割を果たします。その結果、藤白社長は「より良い製品をお客様に提供し続けるためには、このような新しい挑戦が不可欠です」と語ります。

未来の展望

藤白広樹社長が掲げるビジョンの一つは、100年企業としての道を開くこと。これからもフジシロは、スリット加工技術の進化と発展を続け、地域に根ざした企業としての存在感を高めていくことでしょう。

「私たちの技術は目立つものではありませんが、これを支えているからこそ商品の多様性が生まれるのです。この技術の存在が、消費者や製品開発者の自由を保障するのです」と強い決意を見せる藤白社長。

さらには、「足立ブランド」に認定された企業として、地域内での認知度向上にも寄与しようとしています。新しい世代に製造業の魅力を伝える活動や、工場見学、子ども向けワークショップなども積極的に行い、地域とのつながりを深めていく意向です。