おせち料理の価格動向
2026年正月に向けて、おせち料理の平均価格が2万9098円(税込)に達しました。これは2025年の平均価格2万8044円に比べ、1054円、率にして3.8%の値上げとなります。値上げ幅が1000円を超えたのは3年ぶりのことで、物価高の影響が強まる中でのことです。
価格上昇の理由
帝国データバンクによる調査では、全国の大手コンビニエンスストアや百貨店、日本料理店など110社が対象となりました。この調査では、約65社が値上げを行い、主に原材料価格の上昇や包装資材の高騰、配送費用の上昇などが影響しています。特に、値上げ幅が1000円台である商品が最も多くみられ、さまざまな要因が複合的に影響していることが分かります。
二極化するおせち市場
おせちの価格は、「コストパフォーマンス重視」と「高級志向」という二つの流れに分かれています。低価格を重視したおせちでは大容量の商品が増え、バラエティも豊かな洋風や中華風のものが人気を集めています。一方、高級志向のものでは、食材の質を重視したおせちが増え、価格が3000円以上上昇するものも。特に高級ホテルやレストランが手がける商品では、その豪華さ故に高値がつけられています。
価格を考慮した購買傾向
最近の調査からも、消費者の「節約志向」が色濃く現れています。手作りのおせちが割高となる中、コストを抑えつつも豪華さを打ち出した商品が需要を集めています。加えて、大人数での家庭での正月を過ごす傾向が強まっているため、大容量のおせちの人気も高まっています。
価格の未来と市場トレンド
2026年の正月におけるおせち料理の平均価格は、実質的に「3万円の壁」に迫っています。この価格帯に達することで、プレミアムなおせちとコストパフォーマンスを重視したおせちが、より鮮明に競り合うことになりそうです。特に、3万円を超える高価格帯では「質の向上」や「限定感」を打ち出した商品が増える一方で、コストを意識した商品はさらに競争が厳しくなることが予想されます。
結論
2027年以降は、価格上昇が難航する中で、付加価値を求める動きや市場の差別化が一層重要になると考えられています。おせち市場における価格競争と付加価値競争は、今後ますます活発化していくことでしょう。