世界一のテーブルウェア「錫白(すずはく)」の誕生
日本の食器ブランドNIKKO(ニッコー)を中心に、能作と箔一がコラボレーションした「錫白(すずはく)」が、国際的なテーブルウェアコンテストである「Tableware International Awards of Excellence 2025」のサステナビリティ部門で見事、世界一を受賞しました。この受賞は、日本の伝統技術と現代的なデザインの融合による成果であり、多くの期待と注目を集めています。
日本の誇る技術の集合体
「錫白」は、陶磁器と鋳物、金箔を融合した新しいタイプの食器です。1908年に設立されたNIKKOは、その長い歴史の中で高品質な陶磁器製品を提供してきました。その技術を土台に、1916年創業の能作は、錫という材質の特性を活かしており、近日では金箔メーカーの箔一ともタッグを組むことで、より美しく、機能的な商品開発が実現しました。
このコラボレーションにより、異なる素材を生かす革新的なデザインが成立。審査員は「Innovative and creative design」という表現を用いて、各社が持つ技術を共有し、斬新な製品を世に送り出した点を高く評価しました。
世界各国のブランドと競い合い
今回のコンテストには250を超えるエントリーがあり、多くの競争の中で、日本のブランドが一位を獲得することは非常に名誉なことです。NIKKOの三谷明子社長は、「錫白が選ばれたことは、日本の工芸や産業の未来への明るい兆しだ」とコメントしています。
サステナビリティを考えた製品設計
新設されたサステナビリティ部門では、持続可能な方法で作られた製品が評価の対象となります。「錫白」は、強度と美しさを兼ね備えたデザインで、長期間使用することができるため、廃棄物削減にも寄与しますが、これは一般的な陶器の脆弱性を克服する工夫の賜物です。
具体的には、NIKKOの陶磁器プレートの縁を錫で覆うことで、補強を図るという方法が採用されています。錫は柔らかく、経年変化も楽しめるため、使い込むほどに深みが増します。特に、デザインとしての魅力だけでなく、実用性や環境への配慮も考慮されています。
伝統技術の未来を見据えて
「錫白」を開発することを通じて、NIKKO、能作、箔一の3社は、それぞれの素材と技術を結集し、単なる商品を超えた文化的価値を生み出しています。このプロジェクトは、工芸と工業の境界を超えるだけでなく、地域の伝統と職人技術を次世代に伝える重要な役割も担っています。
販売情報
「錫白」は、東京の「LOST AND FOUND TOKYO STORE」やNIKKOの公式オンラインショップにて購入可能です。デザイン性、機能性、環境配慮を兼ね備えたこの食器は、家庭のテーブルを華やかに彩る一品になるでしょう。作品を手にすることで、持続可能な社会への意識を高めるきっかけともなります。
結論
NIKKOが繰り広げるテーブルウェアの革新は、単なる商業品ではなく、日本の伝統的な技術を生かした未来の可能性を秘めたものです。「錫白(すずはく)」が慰めと美しさを持ち寄り、次の世代へと継承されることを心から期待しています。