空手の精神を未来へ継承する「長順館」プロジェクトの全貌

新たな空手文化を象徴する「長順館」の設立

沖縄・那覇市に新たに設立される「剛柔流空手の聖地・長順館」は、未来の子どもたちに剛柔流空手の教えをいかに継承していくのか、その思いを込めたプロジェクトです。この施設は、剛柔流空手の創始者である宮城長順（みやぎちょうじゅん）の精神を形にし、新しい世代がその素晴らしさを体感できる場を提供します。

プロジェクトの背景

宮城長順は1888年に生まれ、1953年に亡くなるまでに空手道を世界に広め、その教えは多くの空手家から尊敬されています。その根底には「人に打たれず人打たず事なきをもととするなり」という平和的な精神があり、長順館はその精神を体現する場所として計画されています。長順の孫である宮城達（みやぎとおる）氏が、祖父が晩年を過ごした壺屋の地でこのプロジェクトを立ち上げることになりました。

この長順館の設立は、単なる道場という枠を超えています。それは、空手の技術を学ぶ場だけではなく、心の磨き方を伝える文化的な場所として設計されています。宮城達氏は、「強さと優しさを両立させた空手の本質を、次世代にしっかりと手渡したい」と語っています。

プロジェクトの概要

「長順館」の設立に向けたクラウドファンディングは、2025年の10月28日から11月27日まで行われます。目標金額は500万円で、資金は展示制作や運営費用に充てられる予定です。また、支援金に応じてお礼のメッセージや名前の掲示、各種パスポートの発行など、リターンも用意されています。館内には宮城長順の像が設置され、訪問者はその教えを実際に感じられる空間となります。

長順館の3つの柱

1. 学ぶ場: 宮城長順の教えや歴史を体験的に学べる常設展示。
2. 祈る場: 静かに心を整えるための祈念空間。
3. 交わる場: 国内外の空手家や来訪者が文化交流を図れるサロン。

これらを通して、沖縄が誇る空手発祥の地としての魅力を地域と世界に発信することを目指しています。